ユースA男子リードで優勝した上村悠樹(中央)

上村悠樹がリードで金! 安楽宙斗はボルダリング銀で今大会2個目のメダル獲得【クライミング世界ユース選手権2021】[大会8日目]

 現地時間28日、ロシア・ヴォロネジで開催中のクライミング世界ユース選手権は大会8日目が行われ、ユースA男子の上村悠樹がリードで金メダル、ユースB男子の安楽宙斗がボルダリングで銀メダルを獲得した。

 前回2019年大会のユースBで優勝までわずかに届かず2位だった上村悠樹が、うれしい大会初優勝を果たした。予選を首位、準決勝を3位通過していた上村は決勝6番手で登場すると、横方向へのランジを決めるなどして他選手が落下していた高度20番台に進入。難所を切り抜け、最後は指先がかからず29+で競技終了となるも、暫定首位に立ち、最後までその座を守り切った。上村の直後に競技を開始した前回金メダリストの関口準太は高度21で5位に終わった。

 男子ユースBのボルダリング決勝では、今大会リード金メダリストの安楽宙斗が出場。予選と準決勝を全課題完登で首位通過していた安楽は、この日も連続完登し、1選手しか完登者が出ていなかった第3課題では4トライ目に的確なポジションを見つけるなど見事な修正力で登り切る。しかし、ただ一人の全完登で迎えた最終第4課題ではスタート後の薄いフットホールドへの対応に苦戦。5トライ目に活路を見出し、残り約10秒で始めた8トライ目でゾーンを獲得するも、そこで制限時間の4分が経過した。あとは比較的容易なTOPホールドへのランジを決めるのみだっただけに、惜しまれるトライだった。安楽は3完登4ゾーンでニコライ・ルセフ(ブルガリア)と並んだが、完登に要したアテンプト数の差で敗れ、優勝を譲った。それでも、初出場の国際大会でリード1位、ボルダリング2位と素晴らしい成績を収めた。16歳になる来年からシニアの国際大会にも出場可能になる安楽の今後に注目したい。

 また、この日行われた他カテゴリーの競技で日本勢唯一の出場となった久米乃ノ華は、ジュニア女子ボルダリングの準決勝で5位に入り、現地時間29日の決勝に駒を進めている。

ユースB男子ボルダリングで準優勝した安楽宙斗(左)。リードでの金メダルに続く今大会2つ目のメダルを手にした

<決勝リザルト>

【リード|ユースA男子】
1位:上村 悠樹(JPN)/29+
2位:メジディ・シャールック(FRA)/28
3位:ティモテ・ロムサク(SLO)/27+
5位:関口 準太(JPN)/21

※左から氏名、所属国、決勝成績(到達高度)

【ボルダリング|ユースB男子】
1位:ニコライ・ルセフ(BUL)/3t4z 6 5
2位:安楽 宙斗(JPN)/3t4z 11 6
3位:オーガスティン・チー(USA)/2t3z 4 4

※左から氏名、所属国、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

各ラウンドの決勝スケジュールなどはこちらから

CREDITS

編集部 / 写真 JMSCA

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