表彰台に上がった(左から)ベルトン、ガンブレット、松藤

女王ガンブレットの強さ健在 今季初出場で圧巻の全完登V 3位に松藤【ボルダーW杯2025 第6戦インスブルック大会】

 今シーズンのクライミングW杯ボルダー最終戦となる第6戦女子決勝が現地時間27日(日本時間28日)、オーストリアのインスブルックで行われ、今シーズン初出場のヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)が圧巻の全課題完登で優勝。五輪を連覇した絶対女王の強さは健在だった。

 今シーズンのW杯出場を見送っていたガンブレットはインスブルックでのボルダー最終戦にエントリーして話題を集めると、予選はグループAで5課題中4課題を完登し全体5位で通過。準決勝は4課題中2課題を完登して4位。久しぶりの国際大会で圧倒的なパフォーマンスとはいかないまでも決勝に駒を進めた。

決勝第2課題を登るガンブレット

 ガンブレットは決勝に臨むと本領を発揮。動的ムーブが続いた第1課題は徐々にアジャストして6アテンプトで完登すると、第2課題は躍動感あるムーブでトップホールドに達した。バランス感覚が問われた第3課題は静的ムーブをつなげて一撃。最終課題は慎重にポジションを見出しながら進み、最後は豪快にゴール取り。これで全4課題の攻略となり、ポイントを99.3まで積み上げてその実力が健在であることを示した。2位のオリアーヌ・ベルトン(フランス)は2完登の69.8ポイントで、ガンブレットとは大きな差がついた。

ガンブレットは第4課題も一撃し、全完登で優勝を飾った

 日本勢は3人が決勝に進出し、2完登で59.5ポイントの松藤藍夢が3位、1完登で53.6ポイントの中村真緒が5位、0完登で29.3ポイントの関川愛音が7位だった。松藤は第1、第2課題を連続完登し、第2課題を終えた時点でのポイント数でガンブレットを上回るも、後半2課題でスコアを伸ばせず。優勝には届かなかったが、3位だった2023年八王子大会以来となる自身2度目のW杯表彰台に上がった。また、W杯の年間ランキングでは中村が2位に入り、3位だった昨年に続く年間表彰が決まった。

自身2度目の銅メダルに輝いた松藤

<リザルト>

1位:ヤンヤ・ガンブレット(SLO)/99.3pt
2位:オリアーヌ・ベルトン(FRA)/69.8pt
3位:松藤 藍夢(JPN)/59.5pt
4位:カミラ・モローニ(ITA)/53.8pt
5位:中村 真緒(JPN)/53.6pt
6位︰アニー・サンダース(USA)/44.6pt
7位:関川 愛音(JPN)/29.3pt
8位︰ジョルジア・テシオ(ITA)/10.0pt
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13位:野中 生萌(JPN)※準決勝進出
24位:村越 佳歩(JPN)※準決勝進出
27位:山 真奈実(JPN)

※左から順位、氏名、所属国、獲得ポイント
※ポイントはゾーン到達で10点、完登で25点。各課題のポイント獲得までにフォールした回数×0.1点が減点される

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