都内でのオンラインイベントに参加した楢崎智亜

楢崎智亜、パリ五輪への再出発を期す 種目はボルダリングとリードの複合に絞る意向

 東京五輪でスポーツクライミング男子複合4位だった楢崎智亜が21日、都内でオンラインによるクライミング教室を開き、小中学生にアドバイスを送った。東京五輪については「満足していないが、切り替えている」とし、「様々な方の想いを抱えながらも勝てる選手になりたい」と2024年パリ五輪でのリベンジを誓った。

 「出し切れなかった」という東京五輪。会場で泣く姿を見せることはなかったが、宿泊先で「これまでのトレーニングなど、いろいろなことを思い返した」と一人で涙を流したという。閉会式の翌日からトレーニングを再開。「まだ夢なんじゃないかという感じがあった」というが、登っていく中で「次に向かって動き始めないと」という気持ちに変化。「この悔しさを生かして、次は確実に金メダルを取れるようにしたい」と視線はすでにパリへと向いている様子だった。

 東京五輪では3種目複合が採用されたが、パリ五輪ではボルダリング・リードの2種目複合とスピードに分かれる。以前はスピードでの出場も目指すと公言していたが、「3種目に取り組むことは自分にとって面白いチャレンジで、魅力を感じているが、今回金メダルを取れなかったことであったり、世界のスピードが進化している中で、五輪の選考大会が2年後ということを考えると、どちらも中途半端になってしまう怖さがある」と話し、周囲と協議中だというものの、「可能性が高い」とパリ五輪に向けて取り組む種目をボルダリングとリードに絞る意向を明かした。来月16日から始まる世界選手権(ロシア・モスクワ)でも、スピードのエントリーは取り下げる方向だという。

 直近の目標はその世界選手権だ。「一番の目標は、ボルダリングでの優勝で連覇を狙うこと。ここまで積み上げてきたものを再確認して、最高の状態にもう一度仕上げたい」。再び五輪の舞台に上がるため、まずは2016、19年に続く3度目のボルダリング世界王者を足がかりにする。

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取材・文・写真 編集部

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