(左から)2位のベルトン、優勝のガンブレット、3位のラバトゥ

ガンブレットが他を圧倒 大会最多3度目のボルダー女王に輝く【クライミング世界選手権2023】

 スイス・ベルンで開催中のIFSCクライミング世界選手権は5日(日本時間6日)、ボルダーの女子決勝を行い、東京五輪金メダリストのヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)が全課題をミスなく登り切る完璧なパフォーマンスでボルダー女子では大会最多となる3つ目の金メダルを手にした。日本勢は森秋彩が出場し6位に終わった。

会場のポストファイナンス・アリーナには多くの観客が集まった

 2日の予選と5日の準決勝はガンブレットが首位で通過。決勝ではガンブレット、ブルック・ラバトゥ(米国)、オリアーヌ・ベルトン(フランス)、ナタリア・グロスマン(米国)のW杯決勝常連組と、森、ゼリア・アベズー(フランス)が顔を合わせた。2019年大会でリード3位に入り日本人最年少メダルを獲得した森はボルダー種目で初の世界選手権決勝。世界ユース選手権で2連覇中の19歳アベズーはW杯でも決勝経験がない中で大舞台に勝ち上がった。

決勝にはフランス勢2人、米国勢2人、スロベニア勢1人、日本勢1人が進出した

第1課題をヒールフックなどで突破していく森。この課題を一撃した(写真:© Lena Drapella/IFSC)

この日の準決勝で全完一撃していたガンブレットは決勝もフラッシュスタート

 第1課題は選手によってアプローチが若干異なれど、全員が一撃で終えた。森は足技を駆使しながら完登を記録した。第2課題は垂壁に設けられたフットホールドが不安定な内容で、スタートから粒のように小さいゾーンホールド目掛けて一気に左足に体重をかける際や、ゴール取りの場面も足が滑りやすく、完登者はアベズー、ベルトン、ガンブレットの3人に減った。完登時に指1本をうまく命中させてバランスを取るなどし会場を沸かせたガンブレットは再びの一撃。バランス系の課題を得意とする森は左足にうまく荷重できなかったかゾーンをつかめずに終わった。

第2課題

残り12秒ほどで完登したアベズー

ガンブレットはトップホールドのポケットに指1本を差し込みバランスを取った(写真:© Lena Drapella/IFSC)

 ダイナミック系の第3課題はスイングからの着地、あるいはトップホールドまで大きく移動するコーディネーションムーブが決まらず、アベズー、森、グロスマンは最後まで進めない。最初のトライから完登の可能性を感じさせたベルトンはタイマーのトラブルで時間が空いたあと、高い跳躍力と微妙にテンポを変える巧みさでゴールへの豪快なムーブを成功させた。ラバトゥはゾーン獲得にとどまるも、ガンブレットは一連のムーブを当然のように完遂。ゴール手前で保持し切ってから最後のホールドを手中に収めて観客を驚かせた。ベルトンとガンブレットはいずれも3完登となり、すべてフラッシュのガンブレットが首位を維持した。

第3課題を登るベルトン(写真:© Lena Drapella/IFSC)

3連続フラッシュのガンブレットに観客は大きな拍手を送った(写真:© Lena Drapella/IFSC)

 最終第4課題はトップホールドにかける手が滑りやすく、先頭から4人連続で失敗。森はスタートからのダブルダイノに苦戦してゾーンなしに終わり、好調さを見せていたベルトンですらゴール取りが止まらず。しかし5番手のラバトゥが一撃でこの課題初完登。逆転での銅メダルを確定させると、ゾーン獲得で優勝が決まるガンブレットも余裕の一撃。すべての課題を一発で仕留めたガンブレットはオーストリアのレジェンド、アンナ・シュテールと2回で並んでいた優勝回数を更新し大会最多3度目の世界選手権ボルダー女王に輝いた。

ラバトゥが第4課題を完登し、メダル圏内に浮上

3度目の優勝を決めたガンブレット(写真:© Lena Drapella/IFSC)

表彰式ではその目に光るものがあった

 2位は3完登のベルトン、3位は2完登のラバトゥで世界選手権初の表彰台。アテンプト数の差で惜しくもメダルに届かなかったもののポテンシャルを発揮した19歳アベズーが4位、前回優勝のグロスマンは5位、森は6位でいずれも1完登だった。リードを得意とする森は完登数こそ伸ばせなかったが、世界選手権でボルダーの決勝を戦えたことは貴重な経験になったはず。6日は予選を首位通過したリードの準決勝に挑み、8位以内に入れば現地時間同日の決勝を戦う。

<決勝リザルト>

1位:ヤンヤ・ガンブレット(SLO)/4t4z 4 4
2位:オリアーヌ・ベルトン(FRA)/3t4z 7 4
3位:ブルック・ラバトゥ(USA)/2t4z 2 11
4位:ゼリア・アベズー(FRA)/2t4z 8 10
5位:ナタリア・グロスマン(USA)/1t4z 1 9
6位:森秋彩(JPN)/1t2z 1 6

※左から順位、氏名、所属国、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

大会スケジュールや出場日本人選手はこちらから

CREDITS

編集部 / 写真 © Jan Virt/IFSC

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