第2課題をただ一人完登した安楽

安楽が唯一の全課題攻略 前回王者・藤井と決勝へ【クライミング世界選手権2023】

 IFSCクライミング世界選手権(スイス・ベルン)は4日、ボルダー男子準決勝を行い、安楽宙斗が1位、藤井快が3位で決勝進出を果たした。

 準決勝第1課題は20人中18人が完登。しかしキャンパシングを駆使して進む第2課題は完登者1人と極端に完登率が低下した。第3課題は9人、第4課題は13人が登り切り、少なくとも第2課題を除く3つの課題を攻略することで決勝進出を可能とした。予選首位タイで最後に競技する安楽は第1課題を一撃すると、難関の第2課題はゾーン下に左足を置く他選手とは異なるムーブを選択できたことで安定したポジションを獲得し、鬼門となっていたゴール取りを難なくこなした。最後まで取りこぼしなく4つの完登を重ねた。

前回王者の藤井は3位で決勝へ

 前回大会王者の藤井は第2課題で何度も完登に迫ったがトップホールドを取り切れず。それでも3完登4ゾーンで3位につけ、ボルダーのみの出場となった今大会で決勝に残る勝負強さを見せた。日本勢は16歳の新星と30歳のベテランが決勝に駒を進める格好となった。緒方は6位のニコライ・ウズニック(オーストリア)と同じ2完登4ゾーンだったが、完登に要したアテンプト数の差「1」で惜しくも決勝に進める6位以内に入れず。智亜、明智の楢崎兄弟はいずれも2完登3ゾーンで13、14位に終わった。

 ファイナリスト6人には安楽、藤井のほかに東京五輪5位で33歳のミカエル・マウェム、今シーズンのW杯で2勝を挙げた19歳のメジディ・シャールック(いずれもフランス)、世界ランク3位で20歳のイ・ドヒョン(韓国)、22歳の実力者・ウズニックが名を連ねた。決勝は日本時間4日25時30分から行われる。

<決勝進出>

1位:安楽 宙斗(JPN)/4t4z 11 5
2位:ミカエル・マウェム(FRA)/3t4z 7 8
3位:藤井 快(JPN)/3t4z 10 6
4位:メジディ・シャールック(FRA)/3t3z 8 6
5位:イ・ドヒョン(KOR)/3t3z 10 8
6位:ニコライ・ウズニック(AUT)/2t4z 2 7
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7位:緒方 良行(JPN)/2t4z 3 5
13位:楢崎 智亜(JPN)/2t3z 4 4
14位:楢崎 明智(JPN)/2t3z 6 12

※左から氏名、所属国、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数
※6位までが決勝に進出

大会スケジュールや出場日本人選手はこちらから

CREDITS

編集部 / 写真 © Lena Drapella/IFSC

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