NEWS 2024/02/14

中村真緒「すべての魂を手に込めた」【ボルダージャパンカップ2024｜決勝後の選手コメント】

　12日に行われたボルダージャパンカップ（以下BJC）女子決勝は、昨年は予選落ちを経験し、今大会の結果次第で引退を考えることもあり得たという中村真緒が野中生萌、伊藤ふたば、森秋彩らを抑え、全ラウンド1位で初優勝を遂げた。以下、ファイナリスト6人のコメント一覧。

中村真緒（優勝）
「優勝したいとは思っていたけど、まさか本当にできるとは思っていなかったので本当にうれしい。（たくさんの声援があったが？）応援していただいているのはわかっていて、自分自身も頑張りたかったので、その気持ちを胸に思い切り登った。昨年は予選落ちをしてしまい、（競技を）続けられるのか悩んだりもしたけど、あと1年頑張ろうと思って、この1年必死に登り込みも自己管理もしてきたので、それが報われてよかった。自分が頑張れるように背中を押してくれた人たちに本当に感謝を伝えたい。

　（優勝を決めた最終課題は3トライ以内の完登が条件だったが？）それは知らなかった。予選、準決勝の自分に負けない登りをしようと思って、決めると決めて登った。（途中の一手が体勢が悪かったように見えたが？）意地でも止めてやろうと思って、すべての魂を手に込めていた。今回ダメだったら引退も考えていたと思うけど、それすら考えないぐらい、全力をつぎ込んでとにかく頑張った。この1年は週5日の練習に加えて、筋トレも増やしていた。（2年間日本代表を離れていたが？）全部のW杯を観て、自分もここにいた選手だったのに出られないのが本当に悔しかった。1回だけW杯の決勝に残った時に表彰台が全然見えていなかったので、そこを目指してとにかくボルダリングで頑張りたい」

野中生萌（2位）
「スラブ課題がゾーンを取ってのタイムアップだったので、それを登りたかったというのはあるけど、総合的にはよかったと思う。（左肩を気にする仕草があったが？）準決勝の時点で痛みがあった。決勝2課題目が左肩を使うような内容だったので、ああいう仕草になった。無理はしない前提で考えていたがトレーナーの方に見てもらい関節ではなくて筋肉の痛みのようだったので出場した。（2週間後のリードジャパンカップに向けて）現状把握はもちろん、もう一段レベルアップするための経験の場として出たい」

松藤藍夢（3位）
「今回は優勝を狙っていたので、すごく悔しい気持ち。とにかく優勝するという気持ちで挑むことで、もし負けたとしても得られるものが全然違うかなと思い、優勝しにいく覚悟を決めて挑んだ。昨シーズンが終わってからずっとトレーニングをしていて、登る練習よりもマシンを使った筋トレなど登らないトレーニングを増やして体を強くしてきた。前より筋量が増えてダイナミックな動きなどが安定してきたと思う。今年の目標はW杯で優勝すること」

伊藤ふたば（4位）
「3、4課題目でゴール落ちしてしまい決め切れなかったのが反省点。予選からだんだん登りがよくなりフィーリングもよくなってきたので、準決勝、決勝で感じた部分をOQS（五輪予選シリーズ）に繋げていきたい。（リードジャパンカップに向けて）今はリードのベースアップもしっかりやっているので、どういう部分が伸びているのか確認したい。大会でのオンサイトはOQSに向けてとてもいい経験になる。しっかりパフォーマンスを出せたらと思う」

森秋彩（5位）
「1、2課題目は自分なりのムーブで解決できて、3課題目は得意な感じかなとは思っていたけどうまく重心移動できず、なぜできなかったのかを掘り下げて今後に生かしたい。4課題目は最初のスイングができたのは自分の中で成長だなと思えて、ただゴール取りで距離を出し過ぎてできなかったので修正していきたい。

　（第4課題で決めたコーディネーションムーブはそれ以外に選択肢はあった？）下から行けたかもしれないけど、迷っている間に時間が過ぎたり、できなかったりしたことのほうが今まで多かったので、最初から思い切り行くべきだなと思ってやり続けた。1回だけだけど決まったので、練習の成果が出たのかなと少し自信がついた。もっと止まる確率が高くなるように継続して努力したい」

石井未来（6位）
「決勝に残ることが目標で、それが達成できたのが素直にうれしい。2021年に初めて決勝に残れた時は、決勝のことは意識していなくてラッキーで残れた感じだった。自分でも驚いている感じで、そのままよくわからないまま何もできずに終わってしまった。今回は決勝でも自分の登りをしたいという気持ちがあり、1課題でも登ることができたのでそこは大きく成長したと思う。全ラウンドを通して苦手意識のあるスラブを1課題も登れなかったことが課題。今シーズンはW杯に参戦できると思うので、たくさん経験を積んで頑張っていきたい」