表彰台に上がった(左から)野中生萌、中村真緒、松藤藍夢

新女王誕生! 中村真緒が全ラウンド1位で戴冠【ボルダージャパンカップ2024】

 12日午後、ボルダージャパンカップ(佐賀県多久市/九州クライミングベースSAGA)の女子決勝が行われ、23歳の中村真緒が大会初優勝を飾った。

 決勝には、この日午前の準決勝で上位に入った中村、松藤藍夢、伊藤ふたば、石井未来、野中生萌、森秋彩の6人が進出した。第1課題は松藤を除く5人が完登。森だけが壁を向いてスタートを切り一連のムーブをつなぎ切った。第2課題は森、野中、伊藤、松藤がいずれも2アテンプトで攻略した。

第1課題、森は壁を向いてスタートする

野中ら他の5人は観客側を向いた

 緩傾斜の第3課題、森がスタートからノーハンドで垂直に立ち上がり観客を沸かせたものの、得意とするスラブ課題でゾーンを逃してしまう。野中は足踏みをするように慎重に進むなどし、最終トライで価値あるゾーンを獲得した。その後、松藤が安定したムーブで2完登目を記録し、中村は一撃。1完登だった2人が登り切り、完登数で伊藤、野中、森に追いつくことに成功。2完登3ゾーンの中村はアテンプト数の差で野中を上回り首位へと躍り出た。

中村が2完登目を記録。息を吹き返した

 最終第4課題では、まず森が中間部の苦手とするコーディネーションムーブを6トライ目に決め、出場が内定しているパリ五輪に向けて成長の一手を見せる。完登こそならなかったが、その直向きなトライに対して大きな拍手が送られた。

森のコーディネーションムーブが決まった

 続く野中は舞うようにダイナミックムーブを完遂。3完登4ゾーンで中村を抜いた。最後に登る中村は3アテンプト以内の完登で優勝する状況。2トライ目、体勢が悪いように思われたが、ゾーンをつかんだ右手が離れない。そのまま最後のランジも決め切って優勝を確実なものとした。直後には涙を流した中村。予選、準決勝、決勝すべてで1位と目を見張るパフォーマンスでボルダー新女王に輝いた。

優勝を決めた中村。圧巻の全ラウンド1位だった

 2位は野中生萌。途中で肩を気にする素振りを見せるもさすがの実力で表彰台へ。最終課題で3完登目をマークした松藤は3位で大会初のメダルを手にした。4位は伊藤、5位は森、6位は石井だった。

<決勝リザルト>

1位:中村 真緒(日新火災)/3T 4z 4 5
2位:野中 生萌(無所属)/3T 4z 5 10
3位:松藤 藍夢(日本大学)/3T 3z 10 9
4位:伊藤 ふたば(デンソー岩手)/2T 4z 3 10
5位:森 秋彩(茨城県山岳連盟)/2T 3z 3 8
6位:石井 未来(滋賀県山岳連盟)/1T 2z 4 5

※左から順位、氏名、所属先、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

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CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 小野正文 / 株式会社C.P.I.

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