小学3・4年男子で優勝した渡辺風馬(ふうま)

元日本代表を両親に持つ渡辺風馬らが大会初優勝【オリエンタルバイオ presents 第6回全国ボルダリング小学生競技大会】

 9月2、3日、「オリエンタルバイオ presents 第6回全国ボルダリング小学生競技大会」が東京都の葛飾区東金町運動場スポーツクライミングセンターで行われ、元日本代表の渡辺数馬氏、渡辺沙亜里氏を両親に持つ渡辺風馬(ふうま)をはじめ優勝した4人全員が大会初優勝を飾った。

 過去には今年のボルダーW杯年間王者に輝いた安楽宙斗、ボルダージャパンカップで3位に入った関川愛音(めろでぃ)らが優勝した本大会。第6回を迎えた今年は「オリエンタルバイオ presents ボルダリングキッズツアー2023」からのシード選手など小学3・4年、同5・6年の男女各カテゴリーを通じて過去最多となる208人が出場した。今年もルートセッター兼決勝MCとして著名クライマーの伊東秀和氏、永田乃由季氏が参加し、審判団は東京都山岳連盟が務めた。2日の予選は各カテゴリー8課題を登り、小学5・6年では上位のほとんどが全課題を完登するなどして6位までが3日の決勝に進出した。決勝当日は夕方に降雨の予報があったが、心配は杞憂に終わり、子どもたちの熱い登りが会場を盛り上げた。

決勝オブザベーションの様子

 午前開始の3・4年女子は全員が完登発進したあと、唯一3年生で決勝を登る4番手の堀井優が第2課題を初登し、その後に橋本暖(ひなた)、坂本和佳奈も完登。第3課題は完登を逃していた2人がトップに達して挽回するも、金メダルは第1、第2、第4課題を登り切った坂本が手にした。

3・4年女子優勝の坂本和佳奈。最終課題で一度は完登が認められずも、リトライで再びトップホールドに達した

 3・4年男子は第1~第3課題をほぼ全員が完登し、第4課題は完登者ゼロとなった中で、3連続で一撃した渡辺がアテンプト勝負を制した。小学4年生は「最後の4課題目が難しかった」と悔しさもみせたが、両親が見守る中で異なるタイプの課題をいずれも高い集中力で仕留めた。

一撃を3回続けた渡辺風馬。完登後の笑顔も印象的だった

 5・6年女子は松浦碧希(みき)が圧巻のパフォーマンスで頂点に立った。第1課題は唯一の5年生・海野奈花(なな)と松浦が完登。松浦は他選手が苦戦する中で一撃した。第2課題はスタートからのダブルダイノが最初の核心となり、ここを2度も突破したのは松浦のみ。松浦は1度完登前に落下したが修正してトップを手中に収めた。さらに苦手だと話したスラブ課題も攻略。全完登とはならなかったものの2位に2完登差をつける独走優勝で、2年前の第4回大会で5・6年女子を制し今年の世界ユース選手権にも出場した姉の松浦朱希に続き姉妹での金メダルとなった。

5・6年女子優勝の松浦碧希。圧巻の完登劇で姉に続く優勝を果たした

 5・6年男子はただ一人完登を記録した宮川浬(かいり)が1位でフィニッシュした。ツライチの第1課題に続き、強傾斜の第2課題も完登者は現れないかと思われたが、予選1位の最終競技者・宮川が2トライで完登。両拳を突き上げて喜んだ。その後、スコアに完登は刻まれず、宮川の優勝が決まった。タフな決勝課題となったが、宮川は「1課題登れてとてもうれしい。全体的に難しかったけど、面白かった」と振り返った。

5・6年男子優勝の宮川浬。決勝唯一の完登で戴冠した

 優勝した坂本、渡辺、松浦、宮川には冠協賛のオリエンタルバイオ商品やMAMMUTアスリートによる特別レッスン権などが贈られた。今大会の模様はCS放送テレ朝チャンネルにて11月26日16~17時に放送される予定。

3・4年女子表彰台


1位:坂本 和佳奈(さかもと・わかな)/4年/3t4z 6 11
2位:堀井 優(ほりい・ゆう)/3年/3t4z 7 7
3位:橋本 暖(はしもと・ひなた)/4年/2t4z 3 6
 

坂本和佳奈(優勝)コメント
「スラブ課題でミスしてしまったところもあるんですけど、4課題目で追い込めたのがうれしかったです。遠い課題で思いっきり飛んだりして、ケガもしないように頑張って練習してきました。将来はオリンピック選手になったり国体選手になったりして、野口啓代さんみたいなクライマーになりたいです」

3・4年男子表彰台


1位:渡辺 風馬(わたなべ・ふうま)/4年/3t4z 3 4
2位:飯沼 陽太(いいぬま・ようた)/4年/3t4z 5 5
3位:西尾 晴道(にしお・はるみち)/4年/3t4z 9 6
 

渡辺風馬(優勝)コメント
「お父さんお母さんたちが一緒に練習してくれて、その成果を発揮できたのがうれしかったです。決勝課題は面白くて、いろんな課題があったんですけど、最後に登れなかった4本目が難しかったです。今後は(11月に大阪・岸和田で開催される小学生リード大会の)カンカンカップで1位になりたい。将来の夢はオリンピックで優勝することです」

5・6年女子表彰台


1位:松浦 碧希(まつうら・みき)/6年/3t4z 5 5
2位:海野 奈花(うみの・なな)/5年/1t3z 3 4
3位:廣瀬 菫(ひろせ・すみれ)/6年/1t3z 3 14
 

松浦碧希(優勝)コメント
「全完できなかったのは悔しいけど、3本登れてうれしいです。自分は飛ぶ課題が好きなので、第2課題でランジとかコーディネーションが出てきてうれしかったんですが、3課題目のスラブは苦手なので、(壁から)はがされないように頑張りました。(2年前に優勝した)姉も強いので、自分も置いていかれないように頑張って、苦手な課題もちゃんと落とせるようにしていきたいです」

5・6年男子表彰台


1位:宮川 浬(みやかわ・かいり)/6年/1t3z 2 9
2位:濱田 琉碧(はまだ・るい)/6年/0t3z 0 3
3位:秋山 千畝(あきやま・ちせ)/6年/0t3z 0 6
 

宮川浬(優勝)コメント
「決勝に残れると思っていなかったんですが、その決勝で1課題登れてとてもうれしい気持ちがあります。課題は全体的に難しかったけど、面白かったです。今後は(今月に開催予定の)ユースフューチャーカップで優勝したいです。将来の夢は日本代表になることです」

※順位表は左から順位、氏名、学年、決勝成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

放送予定

CSテレ朝チャンネル
※11月26日16~17時放送予定

「オリエンタルバイオ presents 第6回全国ボルダリング小学生競技大会」公式サイト

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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