小学5・6年生男子で優勝した小山楚嵐(こやま・そらん)

“決勝皆勤賞”の小山楚嵐らが優勝【クラウディア presents 第4回ボルダリング小学生競技大会】

 10月30、31日、「クラウディア presents 第4回ボルダリング小学生競技大会」が東京都葛飾区で行われ、全国から集まった小学生が日頃の練習成果を披露した。

 前年に続き会場となったのは都立水元公園にある「葛飾区東金町運動場スポーツクライミングセンター」。これまでと同様に決勝MC兼ルートセッターを伊東秀和、永田乃由季が担い、審判団は東京都山岳連盟が務めた。この大会は過去に優勝した安楽宙人(あんらく・そらと)、関川愛音(せきかわ・めろでぃ)が今年度のユース日本代表に選ばれるなどキッズクライマーの登竜門的な大会としての地位を築きつつある。

2大会連続で会場となった「葛飾区東金町運動場スポーツクライミングセンター」

 31日の決勝には、8課題による前日の予選を経て各カテゴリー6人が進出。決勝前のオブザベーションでは楽しげに攻略の糸口を伺い、競技中は体勢を崩してもあきらめずに食らいついていく子どもたちの姿が多く見られた。

 6人中4人を女子が占めた小学3・4年生男女混合では、全8完登で予選1位だった4年生の玉城陽南美(たましろ・ひなみ)が第1、第2課題を一撃すると、長いリーチを生かして完登者ゼロの第3課題も登り切ることに成功。ランジ後の身体の振られにも動じない強さを見せる玉城は、第4課題こそ完登とはならなかったものの唯一ゴール取りに迫るなどして3完登4ゾーンでフィニッシュ。昨年8歳にして岩場の三段課題を完登したという濱田琉碧(はまだ・るい)らを抑えての戴冠となった。

決勝課題を登る玉城。長いリーチと巧みなボディバランスを駆使して昨年13位からのジャンプアップとなった(写真:編集部)

 小学5・6年生女子では、昨年4位だった6年生の松浦朱希(まつうら・あかね)が予選を唯一全完登し首位で決勝へ。「調子が良かった」と本人が振り返った通り、松浦はファイナルでも躍動。ランジ、スラブ、強傾斜など様々なタイプの課題を伸び伸びと登り、全4課題を一撃する圧巻のパフォーマンスで優勝を遂げた。

小学5・6年生女子を制した松浦。しなやかな登りで次々と課題を攻略した

 小学5・6年生男子でも、優勝者は全完一撃を果たした。1位に輝いたのは、第1回大会から出場し、第2回大会で優勝するなどそのすべてで決勝に進出している小山楚嵐(こやま・そらん)。序盤のダブルダイノを綺麗に決めて第1課題を完登し波に乗ると、遠いゴール取りの第3課題、パワフルな最終課題をいずれも見事な対応で仕留め、最後までフラッシュを続けた。予選では首位の座を5年生に譲り2位通過。「今日は『絶対に逆転してやる』と思っていました」と話した小山が、その半分を下級生が占めた決勝で6年生の意地を見せ、自身最後の小学生大会で有終の美を飾った。

自身2度目の優勝を決めた小山は、3年生で出場した第1回大会から決勝に進出する“決勝皆勤賞”を達成

 今大会の模様は後日、「LIVE-Link sports」YouTube公式チャンネルでの配信、CS放送テレ朝チャンネルでの放送を予定している。

<決勝MC&セッターコメント>


伊東秀和(セッター・決勝MC/写真左)
「テクニックの幅や、競技時間の4分間で自分を高めていく能力が年々上がってきていると感じています。今回でこの大会を卒業する6年生は大人の大会に出られるのがまだまだ先なので、これからも楽しむことを忘れずに登ってほしいですね。決勝のオブザベーションでは本当に楽しそうにしていたので、あのまま進んでいってほしい。5年生以下に関しては、今大会で得たものを生かしつつ来年の大会をまた楽しみにしておいてもらって、その期待に応えるような形で僕らも準備を進めていきたいと思います」

永田乃由季(セッター・決勝MC/写真右)
「子どもたちのムーブの引き出し量がすごく多い気がしました。セッターもいろんなムーブを設定するんだけれども、『あ、それもできるの?』という感じで対応してくる。だから課題内容もどんどんシビアにするんだけど、それもできちゃうという(笑)。小学5・6年生の男子決勝で135cmの子がいたんですけど、小さいながらも自分なりのやり方で解決していこうとする姿に泣いてしまいました(笑)。私たちも毎大会熱くなってしまいますね。子どもたちにはこれからも練習に励んでもらいたいですし、それと同時に楽しいクライミングを忘れずにいてほしいです」
 

<小学3・4年生男女混合>

写真:編集部

1位:玉城 陽南美(たましろ・ひなみ)/4年生女子/3t4z 5 7
2位:濱田 琉碧(はまだ・るい)/4年生男子/2t4z 2 6
3位:伊藤 柊太(いとう・しゅうた)/4年生男子/2t4z 2 10
 

写真:編集部

玉城陽南美(優勝)コメント
「ランジ課題をたくさんやってきたので、それができて良かったです。4課題目のゴールを取れなかったのが悔しかったけど、優勝できてうれしい。将来の夢はオリンピック選手になることです」

<小学5・6年生女子>


1位:松浦 朱希(まつうら・あかね)/6年生/4t4z 4 4
2位:長崎 莉央(ながさき・りお)/5年生/4t4z 9 7
3位:齋藤 紗里依 (さいとう・さりい)/6年生/3t4z 8 8
 

松浦朱希(優勝)コメント
「全完一撃できたことがすごいうれしくて、やり切れた感じがします。調子もすごい良くて、みんなと一緒に決勝に残れてこの舞台でできたこともうれしかったです」

<小学5・6年生男子>


1位:小山 楚嵐(こやま・そらん)/6年生/4t4z 4 4
2位:奥畑 成(おくはた・なる)/5年生/4t4z 8 5
3位:斎木 猛斗(さいき・たけと)/5年生/4t4z 9 9
 

小山楚嵐(優勝)コメント
「今回ケガをしてしまって出られなかった子がいるんですけど、その子の想いも背負って頑張ることができて、優勝もできたので、2つの想いでうれしいです。第1回大会から4年連続で出られてうれしいし、とても楽しかったです。この後は(今月に行われる)ユースフューチャーカップにユースCの下の学年として出るので、その時はチャレンジャーとして上の学年に食らいついていって、6位以内に入れたらうれしいです。将来は世界で活躍できるクライマーになりたいです」

※順位表は左から氏名、学年、決勝成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

「クラウディア presents 第4回ボルダリング小学生競技大会」大会公式ページ

大会の模様は後日、「LIVE-Link sports」YouTube公式チャンネルCSテレ朝チャンネルで配信・放送されます。

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 大杉和広

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