明日へ羽ばたけ! 第1回ボルダリング小学生競技大会が開催

 7月21・22日、テレビ朝日若葉台メディアセンター(東京都・稲城市)にて「第1回 アクアバンク ボルダリング小学生競技大会 IN INAGI」が開催された。子どもたちの成長を後押しするべく誕生した新たな大会は、日本山岳・スポーツクライミング協会公認のもと行われ、全国から150名近くの小学生クライマーが集まった。同メディアセンター内のアトリウムに設けられた特設ウォールを前に、2日間に渡って子どもたちによる熱戦が繰り広げられた。

 コンペティションは小学3~6年生を対象に開かれ、21日に1stラウンドを、22日に2ndラウンド、そして5・6年生カテゴリーのみ決勝が行われた。決勝には2ラウンド合計成績上位の男女6名づつが進出。各課題5トライの制限がある中で、30分間のうちに5課題中いくつ完登できたかを競うセッション方式で争われた。予選と比べ難易度が上がり、最初はその難しさに戸惑う姿も見受けられたが、徐々に慣れてきたのか子どもたちは見事なクライミングを続々と披露。大人顔負けのテクニックや次の一手を何とか掴もうとする気迫に会場からは大きな声援が飛び交った。

 小学5・6年生女子の頂点に立ったのは大阪から参加した菊川花恋(きくかわ・かれん)。制限時間2分を切ったところで、誰もが苦戦した強傾斜の第3課題を攻略した菊川は、4完登で一歩抜け出し栄えある第1回大会の優勝を決めた。

 男子優勝はボルダリングユース日本選手権鳥取大会2018で2位に入るなど、多くのコンペで上位に入賞している安楽宙斗(あんらく・そらと)。レベルの高い登りで会場を沸かすなど5課題中4課題を仕留め、最後はアテンプト数の差で2位をかわして栄冠を手にした。

 決勝後に行なわれた小学1・2年生も加えたフリーセッションでは、多くのキッズたちが無我夢中で壁に挑んでいた姿も印象的だった今大会。参加した子どもたちには、この日の悔しさ、嬉しさを忘れずに、未来へ向けて大きく羽ばたいてほしい。

 

テレビ朝日若葉台メディアセンターのアトリウムに設けられた特設ウォール。

制限時間内にいくつ完登できたかを競うセッション方式で争われた小学5・6年生決勝。

子どもたちの熱戦に会場も固唾をのんで見守った。

予選を首位通過するなどポテンシャルの高さを見せた青森出身の関川愛音(せきかわ・めろでぃ)。

優勝者には浅草クライミングからのクライミングシューズをはじめ数々の賞品が贈呈された。

決勝後のフリーセッションでも多くの子どもたちが課題に挑戦していた。

(写真左から)戸田萌希、伊東秀和、杉本怜といったトップクライマーも大会に協力した。

伊東秀和コメント
「子どもたちの心を打つクライミングを見ることができて、本当に感動しました。特にファイナルに進出した選手は輝いていたし、その姿に憧れた子も多かったと思います。この大会のために素晴らしい壁と豪華なホールドが用意されていたので、課題はどれも一筋縄ではいなかい、個性的なものを用意したつもりです。それでも子どもたちはしっかりとそれに対応して素晴らしい登りをみせてくれました。彼らが数年後に世界の舞台で戦うことを今から楽しみにしています」

杉本怜コメント
「せっかく大きい壁で贅沢にホールドも使えるので、普段できないコンペならではの動きなどを入れてあげたいなと思いました。その分難しくなっでしまうんですけど、それも経験の一つとして、チャレンジしてほしいという想いでセットしました。難しすぎないか不安でしたが、選手たちの頑張りのおかげで大会はとても盛り上がったと思います。今日は大半の人が悔しい思いをしたと思いますが、これをバネにしてさらに上を目指してほしいです」

戸田萌希コメント
「大会を観ていると、自分が小さい頃にコンペに出て悔しかった気持ちを思い出して、子どもたちからモチベーションをもらいましたね。こういった大会は、同世代の仲間と交流することができるのも大きいと思います。これからクライミングを続けるとなると、長い期間色々あると思いますが、いつまでも楽しむ気持ちを忘れないで上へ上へと向けて頑張ってほしいと思います」

 

菊川花恋コメント(小学5・6年生女子優勝)
「今までに大会で一度優勝したことはありますが、最後に完登することができた今日の方が嬉しいです。クライミングはすごく楽しくて、これからも続けていきたい。憧れは野口選手と野中選手です。完登したときがすごくかっこ良いなって思います。将来はW杯で優勝したいです」

 

安楽宙斗コメント(小学5・6年生男子優勝)
「決勝はかなり難しくて焦っちゃったんですけど、優勝することができて嬉しいです。各課題の完登数もバラバラで緊張した戦いでした。今後の目標はW杯で優勝することで、その先はルートセッターになってW杯のセットをしてみたいです」

 

<小学5・6年生女子>


1位:菊川 花恋(きくかわ・かれん)/4t4z 8 5
2位:関川 愛音(せきかわ・めろでぃ)/3t4z 3 5
3位:望月 萌叶(もちづき・もか)/3t3z 4 3

 

<小学5・6年生男子>


1位:安楽 宙斗(あんらく・そらと)/4t5z 7 5
2位:内木 智(ないき・あきら)/4t5z 10 9
3位:隅谷 樂(すみたに・うた)/3t4z 9 7

 

<小学3・4年生男女混合>


1位:青山 輝星(あおやま・こうせい)/11t13z 16 19
2位:小山 楚嵐(こやま・そらん)/11t13z 17 15
3位:佐藤 心花(さとう・こはる)/11t13z 19 17

※左から氏名、決勝成績(左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数)

リザルト詳細等は大会公式ページから

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 牧野慎吾

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