表彰台に上がった(左から)ハン・デュイセン、シャールック、ジョンフ

シャールックが2度目V、10代が表彰台独占 藤井4位、安楽5位【ボルダーW杯2023 第1戦八王子大会】

 クライミングW杯開幕戦のボルダー第1戦男子決勝が23日、東京都のエスフォルタアリーナ八王子で行われ、フランスの18歳メジディ・シャールックが2度目のW杯優勝を果たした。2位には18歳のハネス・ハン・デュイセン(ベルギー)、3位には19歳のポール・ジョンフ(フランス)が入り、10代が表彰台を独占した。日本勢は藤井快が4位、安楽宙斗が5位に終わり、メダルには届かなかった。

男子ファイナリストたち

 決勝には準決勝通過順にジョンフ、チョン・ジョンウォン(韓国)、安楽、シャールック、ハン・デュイセン、藤井の6人が進出した。競技前には今大会に出場予定だったものの今月不慮の事故で亡くなったドイツ代表のクリストフ・シュウェンガーに黙とうが捧げられた。

 第1課題はゾーンへのランジにアテンプトがかかり、1番手の藤井は最終トライでゾーン獲得。大きな歓声にこたえた。3番手のシャールックはゾーン獲得後のガストンムーブを決めてそのまま完登すると、その後完登は出ずにシャールックが大きなアドバンテージを手にした。

第1課題を完登したシャールック

 緩傾斜壁の第2課題は、準決勝で唯一緩傾斜課題を完登していたハネス・ハン・デュイセン(ベルギー)が2トライで沈めると、シャールック、さらに長身を生かしてジョンフもトップホールドに到達した。安楽は2度ゴール取りにチャレンジするも失敗。第2課題を終えて2完登のシャールックが首位、1完登のハン・デュイセンとジョンフが2、3位で続いた。

第2課題を完登したジョンフ

 コーディネーション系の第3課題はシャールックが初めて完登を逃すなど全員がゾーン止まり。優勝争いはシャールック、ハン・デュイセン、ジョンフの3人に絞られて最終課題を迎えた。最終課題はスタートから超難関で、全選手が様々なムーブをトライするもノーゾーンで終える展開が続く。最後に登るジョンフがゾーンへの可能性をわずかに見せるも、やはりノーゾーンに終わり、順位に変動はなし。シャールックが昨季第3戦以来となる2度目の栄冠に輝いた。

第4課題でスタートからのムーブを探る藤井。この課題でこの先に進める者は現れなかった

シャールックとジョンフ。10代のフランス勢2人が表彰台に上がった

 ボルダーで世界ユース選手権2連覇中のハン・デュイセンは単種目のW杯で初の予選通過から2位でフィニッシュ。IFSC(国際スポーツクライミング連盟)によればベルギー人選手がW杯でメダルを手にしたのは種目を問わず史上初だという。3位のジョンフもシニア国際公式戦で初の表彰台に上がった。

ベルギー史上初のメダリストとなったハン・デュイセン

16歳の安楽はW杯初出場で堂々の決勝進出を果たした

 日本勢は藤井、安楽ともに各課題で観客から大きな声援が送られたが、メダル獲得とはいかず、5度目の自国開催でも日本男子の優勝はお預けとなった。次回W杯は今月28~30日のソウル大会でスピード第1戦、ボルダー第2戦が行われる。

<決勝リザルト>

1位:メジディ・シャールック(FRA)/2t3z 7 7
2位:ハネス・ハン・デュイセン(BEL)/1t3z 2 11
3位:ポール・ジョンフ(FRA)/1t3z 3 3
4位:藤井 快(JPN)/0t3z 0 9
5位:安楽 宙斗(JPN)/0t3z 0 11
6位:チョン・ジョンウォン(KOR)/0t3z 0 13

※左から順位、氏名、所属国、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

「IFSCボルダーワールドカップ2023八王子」大会特設サイト
大会公式掲示板(競技順・成績速報などはこちらから)

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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