(左から)田渕幹規、安川潤、池田雄大

安川潤が日本新5秒33で国内初制覇!【スピードジャパンカップ2023】

 スポーツクライミングのスピードジャパンカップ男子が12日午後、千葉県千葉市の県立幕張総合高校で行われ、日本記録保持者の安川潤が優勝決定戦で自ら記録を更新し、大会初優勝に輝いた。

 男子は近年のレベル向上を象徴するように、予選から5秒台が連発。集まった観客を沸かせた。2年前の3月に行われた前々回大会は楢崎智亜が5秒72の日本記録(当時)を計測し、予選で5秒台を記録したのも楢崎のみだったが、今大会は5人が5秒台に乗せ、5秒72以上は4人が計測した。中でも5秒40の日本記録を持つ安川は5秒38で記録更新。安川を筆頭に、田渕幹規が5秒52、池田雄大が5秒69、大政涼が5秒72、竹田創が5秒90をマークした。予選はタイム順で順位を決め、上位16人がトーナメント方式の決勝に進出した。

日本のスピード界をけん引してきた池田は2大会連続で表彰台に上がった

 予選の5秒台5人はトーナメント初戦に勝利。ベスト4を決める一戦では大政と竹田が激突し、終盤まで互いの実力をぶつけ合う好レースとなるも前回王者・大政がミスで失速し竹田がベスト4入りを果たした。安川、田渕、池田もベスト4へ。この中で決勝2レース連続で5秒半ばを計測していた安川、田渕が竹田、池田をそれぞれ打ち破って最終決戦にたどり着いた。

ユース日本選手権に続き、抜群の安定感でビッグファイナルまで勝ち進んだ田渕。新世代の台頭を強く印象付けた

 3位決定戦で5秒84と5秒88の対決を制し、大声援に応えた初代王者・池田が3位に輝いた後、白熱の展開はいよいよクライマックスへ。この日午前のユース日本選手権でユースA日本記録を4度更新し頂点に立った15歳の田渕と、19歳の現日本記録保持者の対決。互いに勢いよくスタートを切り、洗練された動きで頂点に迫る。わずかに先行したのはW杯出場など経験のある安川。日本最速5秒33でゴールパットを叩き、勝利の雄叫びを上げた。一方、敗れたものの5秒50の好タイムでフィニッシュした田渕は準優勝。過去最高にハイレベルな戦いが繰り広げられた大会は、見ごたえのあるレースで締めくくられた。

5秒33の日本新で優勝を決めた安川。“日本のエース”として、今後さらなる活躍に期待したい

<決勝リザルト>

1位:安川 潤(早稲田大学)/5秒33
2位:田渕 幹規(奈良県山岳連盟)/5秒50
3位:池田 雄大(無所属)/5秒84
4位:竹田 創(日本体育大学)/5秒88

※左から順位、氏名、所属先、成績
※1・2位はビッグファイナル(1位決定戦)、3・4位はスモールファイナル(3位決定戦)の記録

「スピードジャパンカップ2023」大会特設サイト
大会公式掲示板(競技順・成績速報などはこちらから)

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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