楢崎明智「まさか優勝できるとは」【ボルダージャパンカップ2023】決勝後の選手コメント

 5日に決勝を行ったボルダージャパンカップ2023(以下BJC)。男子は兄の智亜と表彰台に上がった楢崎明智が初優勝を飾り、女子は伊藤ふたばが自身3度目の優勝を果たした。以下、決勝を戦った選手たちのコメント一覧。

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楢崎明智(男子優勝)
「決勝に残ることが目標だったのでまさか優勝できるとは思っていなかった。決勝は準決勝までと比べて(壁に付いた)課題の数が減り距離間が出る。今回は特に(身長の高い)自分に合った課題がたくさんあった。そこが優勝できた理由だと思う。(兄は気持ちの整え方がうまくなったのではと言っていたが?)智くんは僕がネガティブだと『それは過去の話だから』とか『まだ大丈夫だから頑張ればいける』とかいつも励ましてくれる。そういう部分ではメンタルの支えになっているし、メンタルやスポーツの本などをいつもオススメしてくれるので、そういう部分も良かったのかもしれない」


佐野大輝(男子2位)
「予想だにしない順位で本当に驚きしかない。うれしさもあるがそれより上回っているのは驚き。決勝で完登した2課題はめちゃくちゃ得意な課題だった。他は勝負できなかったが自分の武器を最大限に生かして決め切ることができたので悔いはない。(2020年大会で決勝に進出し日本代表選出もコロナ禍で代表活動できなかったが?)去年のBJC前にコロナにかかってしまい出られなかったので、(合わせると)2年間、この日のために頑張ってきた。ようやくW杯に出られるので、このBJCの流れをそのままに、できる限り全戦に出場して死ぬ気で頑張りたい」


楢崎智亜(男子3位)
「少し特殊な動きが多くその中で登れそうな課題を登り切れなかった。そこが悔やまれるが兄弟で初めてBJCで決勝に残れて一緒に表彰台に上がれたのはうれしい。この冬は持久力のトレーニングをかなり積んできたので、(2月25、26日開催の)リードジャパンカップで優勝したい。(弟は)どちらかというと調子を崩していたので心配していたがまさか負けるとは思っていなくてびっくりしている(笑)。フィジカル面というより、戦いながら気持ちを整えていく選択がうまくなっている感じはする。普段からずっと一緒に練習していて、強いことはわかっていたが、なかなか結果を出せていなかった。今回結果を出したことで自信をつけてもらい、また一緒にいいトレーニングができたらなと思う」

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伊藤ふたば(女子優勝)
「全課題一撃で優勝できて率直にうれしい。(1課題目完登時の左トウフックは?)最初から決めていた。オブザベした段階で得意系だと思っていて、集中してトライするようにしていた。大会前は不安だったが自信になる登りもできたので、改善できる部分は改善してW杯に向けてさらに強くなっていきたい。冬のトレーニングが良い形で結果に出た。これを信じて、まずは(五輪出場権の懸かる8月の)世界選手権の出場枠を取ることに集中していきたい」


野中生萌(女子2位)
「表彰台に乗れてうれしく思う。準決勝のほうがパワフルな感じはあったので、私的には自分らしさが出せないような決勝課題だったと感じる。(惜しかった2課題目について)スラブに苦手意識がある。基本的に難しいのはバランスの取り方。結局は時間内にできるかどうかで、そういうところでの難しさを感じる。(声援がすごかったが?)無観客を経て観客の方が戻ってきてくださり、たくさん応援してくれるのは登っていて力になる。『これがクライミングだ』と久々に楽しんで登ることができた」


関川愛音(女子3位)
「1年間ずっとBJCのためにトレーニングしていたので、決勝に残れてすごくうれしい。決勝は楽しむことしか頭になく、時間いっぱい楽しんで登ろうと思っていた。表彰台に乗れるとは思ってもいなかったので3位はとてもびっくりしている。(自分の強みは?)距離の遠い課題、コーディネーション系が得意。今後は一撃したり、アテンプトの数を減らしたりして、苦手な動きもどんどん減らしていきたい。W杯に出られるので、そこで1戦でも決勝に残りたい。今回は本当にたまたまだったと思うので、もっとたくさんトレーニングして強くなりたい」


森秋彩(女子4位)
「第1、第3課題で苦手な動きができず『まだまだだなぁ』という悔しさがある。決勝にしては(指の)かかりがよくて『これは距離を出させてくるな』と思った。ダイナミックな課題は練習してきたつもりだがやはり大会となると強度も高くまだまだ対応し切れなかった。パリ五輪が来年に控えているが学業の手を抜かずクライミングも楽しんで、楽しんだ先にパリ五輪の出場ができれば、それがまた1つの良い経験となって自分を磨くことができると思う。パリだけを見据えるのではなく、いろんなところに視野を広げて自分を磨いていきたい」

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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