男子表彰台=(左から)佐野大輝、楢崎明智、楢崎智亜

楢崎明智が初優勝! 兄・智亜と表彰台【ボルダージャパンカップ2023】

 5日午後、ボルダージャパンカップ(東京・駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場)の男子決勝が行われ、唯一3完登に達した楢崎明智が準決勝6位からの逆転で大会初優勝を達成。兄の智亜とともに表彰台に上がった。

 楢崎智、藤井快、佐野大輝、通谷律、井上祐二、楢崎明の準決勝上位6人が進出した決勝は、先頭を登る楢崎明の完登で幕を開ける。勢いをつけてスタートから飛び出した後、1度は失敗したゴール取りムーブを修正した。後続選手のコーディネーションムーブが決まらず、楢崎明が早くも他に1完登差をつけると思われたが、準決勝1位通過でトリを務める兄・智亜がスローパーの抱え込みを対処するなどし、3トライ目の完登で弟を追いかける。

BJC初優勝を遂げた楢崎明智

 楢崎明は第2課題、身体をうまくプッシュして引き上げ、ラストトライで完登。その後は佐野も登り切り、多くの選手が足の踏み位置に手こずった中で2人目の完登を記録した。勢い付く楢崎明は、スラブの第3課題でも動的に立ち上がってから静止して観客を沸かせると、優れたバランス感覚でゾーンを獲得。最後は長身を目一杯伸ばしてトップホールドに指先を添えた。

 暫定2位だった楢崎智が3課題目の一撃目前で落下し、未完登に終わったことで優勝に大きく近づいた楢崎明は、ルーフのキャンパシングが組み込まれた最終課題、ゾーンを獲得した時点で優勝が決定。完登締めこそならなかったが自身初のジャパンカップ制覇を成し遂げた。2位は第2、第3課題を連続完登した佐野。2020年大会で決勝に進出し日本代表権を得たものの、コロナ禍で大会が消滅してしまった無念を晴らすべく、再び日本代表ユニフォームを着る権利を手にした。3位の楢崎智に続き、初の決勝で健闘した高校1年生の通谷が4位、井上が5位、藤井が6位に入った。

ジャパンツアーを勝ち上がり、再びBJC決勝の舞台へと戻ってきた佐野。ジャパンカップで初めて表彰台に上がった

3位の楢崎智亜。1完登にとどまったがダイナミックなムーブで観客を魅了した

 女子は伊藤ふたばが優勝を飾った今年のBJC。次なる公式戦は今月25、26日のリードジャパンカップで、千葉県印西市での開催が予定されている。

<決勝リザルト>

1位:楢崎 明智(日新火災)/3T 4z 10 9
2位:佐野 大輝(愛知県山岳連盟)/2T 2z 5 5
3位:楢崎 智亜(無所属)/1T 3z 5 8
4位:通谷 律(佐賀県山岳・スポーツクライミング連盟)/1T 2z 9 18
5位:井上 祐二(大阪府山岳連盟)/0T 1z 0 2
6位:藤井 快(無所属)/0T 0z 0 0

※左から順位、氏名、所属先、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

「ボルダージャパンカップ2023」大会特設サイト
大会公式掲示板(競技順・成績速報などはこちらから)

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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