表彰台=(左から)2位・吉田智音、優勝・西田秀聖、3位・田中修太

17歳・西田秀聖がただ一人の完登で優勝! 若手3人が初表彰台 リードジャパンカップ2020【男子決勝】

 スポーツクライミングの第33回リードジャパンカップ(岩手県営運動公園スポーツクライミング競技場=盛岡市)は11日、男子決勝が行われ、苦手なランジを見事に決めるなどした17歳・西田秀聖が最終競技者でありながらラウンド初の完登を果たし、自身初の国内大会優勝に輝いた。

 男子決勝は、初のファイナリストとなった16歳の吉田智音が先頭で登場。その後の緒方良行、樋口純裕、村下善乙、藤井快が餌食となった28手目のランジを成功させるなどして、一番手ながら完登まであと2手に迫る高度36+を記録する。

先頭で好成績を収めた16歳の吉田智音(さとね)。

吉田に続いたのは20歳の田中修太。

 このランジパートを超えられたのは田中修太、楢崎智亜の2人のみで、田中は高度36で暫定2位、その36手目のデッドに失敗した楢崎は35+で暫定3位となり、吉田1位のまま最終競技者の西田を迎える。

 これまでボルダリングで多用されるダイナミックなムーブを苦手としていたことから、ランジなどを中心にボルダリングの練習時間を増やしてきたという西田。時間をかけながら着実に高度を上げていくと、例のランジパートと対峙する。オブザベーションした際の心境は「出たか、という感じだった」というが、力をためて繰り出したダイノは見事に決まった。

西田はそのまま最後まで登り切る。

 さらに粘り強く登り進めると、最終38手目もしっかりと保持。決勝の最終競技者が唯一の完登を決めて優勝をさらう、これ以上ないシナリオで、昨年のW杯ブリアンソン大会に続き国内でもリード王者に輝いた。

 2位には吉田、3位には田中が入り、西田も含めて全員が自己最高成績での国内シニア初表彰台。国内のユース選手権でカテゴリー別優勝経験のある吉田は初決勝での快挙となるなど、今大会男子は新たな顔ぶれが表彰台に並び立つことになった。

<決勝リザルト>

1位:西田 秀聖(奈良県山岳連盟)/TOP
2位:吉田 智音(奈良県山岳連盟)/36+
3位:田中 修太(新潟県山岳協会)/36
4位:楢崎 智亜(TEAM au)/35+
5位:藤井 快(TEAM au)/28+ ※準決勝2位
6位:村下 善乙(千葉県山岳・スポーツクライミング協会)/28+ ※準決勝3位
7位:樋口 純裕(佐賀県山岳・スポーツクライミング連盟)/28+ ※準決勝4位
8位:緒方 良行(-)/28+ ※準決勝6位

※左から氏名、所属先、成績

第33回リードジャパンカップ 大会特設サイト
競技順・成績速報サイト

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

back to top