野中生萌、楢崎明智が初心に返るクライミング指導【三井不動産 presents JMSCAクライミング体験キャンプ in 東京ミッドタウン】
3月9、10日、「三井不動産 presents JMSCAクライミング体験キャンプ in 東京ミッドタウン」が行われた。スポーツクライミング日本代表の野中生萌、楢崎明智がゲスト講師として登場し、子どもを中心とした参加者に直接指導を施した。
スポーツクライミングの普及を目的に、JMSCA(日本山岳・スポーツクライミング協会)が主催、同協会オフィシャルスポンサーの三井不動産が特別協賛して開催された本イベント。「アーバンドック ららぽーと豊洲」(東京都江東区)で行われた昨年に引き続き、今年も三井不動産の所有施設「東京ミッドタウン」(東京都港区)で実施された。
野中が来場した9日には、事前応募で当選した小学3~6年生の約30人ずつが1・2部に参加した。野中は各部あわせて2時間、仮設壁につくられた全10課題を登る子どもたちに「足をここに上げよう」「抱えるように持って」と使用するホールドを指示しながら声をかけ続け、完登した際にはグータッチで喜んだ。参加した小学生は「登れたら『やったー!』っていう気持ち」と笑顔を見せ、その保護者も「本当に楽しそうで『クライミングシューズが欲しい!』と言っていた」と話した。
質問コーナーでは事前に寄せられた多くの問いが野中に投げかけられた。「選手になろうと思ったきっかけは?」という質問には「友だちに誘われて出た大会で、落ちるのが怖くて『落ちたくない、落ちたくない!』とひたすら上だけを見て頑張ったら優勝できた時(笑)」と回答。別の回答でも「大会中に登っている時は怖くないけど、練習中に怖いと思うことはある」と語り、会場を笑いに誘った。
「クライミングクラブで後から入ってきた子が上手で焦ってしまう」という悩みには「みんなそれぞれに長所と短所がある。自分の伸ばしたいと思うところを見つけて、コツコツと頑張れば必ず成長する。それは私が保証するので、焦らなくても大丈夫」と励ましのメッセージを送った。最後には1人ひとりに直筆サイン入りの参加証明書を手渡した。
イベント後に取材に応じた野中は「このようなイベントに出させていただくたびに、子どもたちから元気なエネルギーをもらえる。次の大会も頑張ろうと思える」と良い影響を受けた様子。大会ごとに髪色を変えて挑むイメージが定着し、「髪色をどうやって決めているのか?」という質問があったことに話題が及ぶと「どんな色にしてもよろこんでくれそうな気がしてうれしかった」と笑顔だった。4月に開幕するW杯、そして5・6月の五輪予選シリーズに向けたトレーニングは順調のようで「国内大会を終えて、いい感じでトレーニングモードに入れている。ここからさらに調子が上がった状態でどこまで戦えるのか楽しみ」と頼もしいコメントを残した。
翌10日には楢崎が来場した。この日はイベント中すべての時間帯で当日参加が可能となり、東京ミッドタウンを訪れたファミリー層を中心に登るための列が絶え間なく続いた。中には並び直して1時間以上登る子どももいたほどだった。
楢崎は計3時間指導にあたり、疲れを感じさせずに参加者のクライミング体験を後押し。「子どもたちのやる気を見て、自分もあらためて頑張ろうと思えた。こういうイベントを開催してくれるのはうれしいし、こういうイベントでクライミングが広まってくれたらうれしい」と述べ、楢崎もまた野中同様にさらなるモチベーションを得られたようだった。
野中生萌コメント
「こういったイベントに出させていただくたびに、子どもたちから元気なエネルギーをもらえる。純粋にクライミングを楽しんでいる気持ちが伝わってきて初心を思い出すし、次の大会も頑張ろうと思える。(5・6月の五輪予選シリーズに向けて)五輪の最終予選なので、悔いのないように全力を尽くしたい。今は国内大会を終えて、いい感じでトレーニングモードに入れている。ここからさらに調子が上がった状態でどこまで戦えるのか楽しみ」
楢崎明智コメント
「どれくらい人が来るのか心配していたが、たくさんの方が来てくれた。初めて体験する子も積極的に登っていて、何回も並び直してくれたりしていた。子どもたちのやる気を見て、自分もあらためて頑張ろうと思えた。子どもには無限の可能性がある。こういうイベントを開催してくれるのはうれしいし、こういうイベントでクライミングが広まってくれたらうれしい」
CREDITS
取材・文 編集部 / 写真 神谷渚