男子表彰台に上がった(左から)オンドラ、シューベルト、メゴス

シューベルトが男子通算最多23勝目 安楽6位、小俣8位、谷井6位【リードW杯2023 第2戦ヴィラール大会】

 クライミングW杯リード第2戦の男女決勝がスイス・ヴィラールで1日(日本時間2日)に行われ、男子はヤコブ・シューベルト(オーストリア)が各種目を通じてW杯通算23勝目を挙げた。女子はヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)が制した。

 6月30日の予選は男子8人、女子3人の日本勢が26位以内に入り翌日の準決勝に進むと、安楽宙斗が完登を記録して首位で決勝へ。今年のジャパンカップを制した17歳・小俣史温も7位となり、W杯デビューから2戦目にして初の決勝進出。ユース大会でしのぎを削ってきた2人がW杯決勝の舞台に上がる格好となった。女子では谷井菜月が6位で準決勝を通過した。

準決勝で完登した安楽

 男子決勝は各選手の成績が並ぶことなくバラける展開となり、7人が競技を終えて42+を記録したシューベルトが暫定首位。最後に登る安楽に逆転の期待がかかったが36+で力尽きた。2位にはアダム・オンドラ(チェコ)、3位にはアレクサンダー・メゴス(ドイツ)が入り、2018、19年の世界選手権で表彰台に上がったリード界の“ビッグ3”がベテラン健在を示した。2大会連続で決勝を戦った安楽は6位、小俣は8位だった。IFSC(国際スポーツクライミング連盟)によれば、32歳のシューベルトはこれがリードW杯20勝目となり、ボルダーでの3勝と合わせたW杯通算23勝は男子史上最多の記録だという。

決勝ルートを登るシューベルト。W杯通算23勝目を挙げた

初の決勝を戦った小俣

 女子決勝は先頭のジェシカ・ピルツ(オーストリア)がいきなりの好記録。制限時間に達してしまったがトップホールド直前まで迫った。谷井ら後続の選手たちはピルツの43+を超えられず。しかし最終8番手のガンブレットはボリュームにうまく乗り込んでピルツの成績に近づくと、ボルダー競技でのスラブのように繊細な身のこなしで進み、最後はダイナミックなランジを決めて完登を果たした。予選2課題、準決勝1課題、決勝1課題と全ルートを完登したガンブレットが開幕2連勝。さらにヴィラールでのリードW杯では7連勝となった。2位にはピルツ、3位にはブルック・ラバトゥ(米国)が入った。谷井は6位だった。

今大会の全課題を完登して優勝を決めたガンブレット

女子表彰台=(左から)ピルツ、ガンブレット、ラバトゥ

<決勝リザルト>

[男子]
1位:ヤコブ・シューベルト(AUT)/42+
2位:アダム・オンドラ(CZE)/41+
3位:アレクサンダー・メゴス(GER)/40
4位:トビー・ロバーツ(GBR)/39+
5位:コリン・ダフィー(USA)/37+
6位:安楽 宙斗(JPN)/36+
7位:パン・ユーフェイ(CHN)/34
8位:小俣 史温(JPN)/24+
―――――
12位:吉田 智音(JPN)※準決勝進出
13位:本間 大晴(JPN)※準決勝進出
17位:緒方 良行(JPN)※準決勝進出
21位:樋口 純裕(JPN)※準決勝進出
23位:上村 悠樹(JPN)※準決勝進出
26位:鈴木 音生(JPN)※準決勝進出
28位:百合草 碧皇(JPN)

[女子]
1位:ヤンヤ・ガンブレット(SLO)/TOP
2位:ジェシカ・ピルツ(AUT)/43+
3位:ブルック・ラバトゥ(USA)/43
4位:ソ・チェヒョン(KOR)/43
5位:ミア・クランプル(SLO)/40+
6位:谷井 菜月(JPN)/36
7位:キム・ジャイン(KOR)/22+
8位:マッテア・ポッチ(AUT)/17+
―――――
16位:久米 乃ノ華(JPN)※準決勝進出
20位:中川 瑠(JPN)※準決勝進出
30位:小池 はな(JPN)
33位:伊藤 ふたば(JPN)
34位:柿崎 未羽(JPN)
37位:野中 生萌(JPN)

※左から順位、氏名、所属国、決勝成績(高度)
※同高度の場合は前ラウンド順位の高い選手が上位

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編集部 / 写真 © LenaDrapella / IFSC

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