男子表彰台=(左から)チャン・リャン、ロン・ジャングオ、大政涼

大政涼が日本男子初のスピードW杯表彰台 3位で銅メダル獲得【スピードW杯2023 第4戦ヴィラール大会】

 クライミングW杯のスピード第4戦男女決勝がスイス・ヴィラールで2日(日本時間3日)に行われ、現日本記録保持者の21歳・大政涼が3位に入り日本男子初のメダルを獲得した。

 2日12時(日本時間2日)から行われた予選では、安川潤が13位、大政が15位で決勝トーナメントに進出。6月のジャパンツアー決勝で5秒14(日本新)と5秒15の接戦を演じた2人が揃って16強入りを果たした。女子では竹内亜衣の26位が日本勢最高で予選通過はならなかった。

予選を通過した安川潤

 決勝トーナメントでは、安川は初戦で敗れてしまったものの、大政が東京五輪にも出場したリシャト・ハイブリン(カザフスタン)の6秒06を5秒30で上回ると、続くレースでは元世界記録保持者のレザー・アリプアシェナザンディファー(イラン)に勝利。中盤までほぼ互角の戦いの中、初戦と同じく相手のスリップにも助けられた。

決勝トーナメントを見守る会場の様子

4強入りを果たした大政

 レース直後、左ふくらはぎを抑える素振りを見せていた大政だったが、その後ビッグファイナル進出のかかる一戦に登場。しかしフライングを犯してしまい、3位決定戦に回る格好となった。銅メダルをかけた一戦では昨年優勝を経験した17歳のサミュエル・ワトソン(米国)と対戦。自己ベスト5秒02を持つ相手にやや先行されたものの、大政もミスなく食らいついていくと、ワトソンがゴールタッチ直前に足を滑らせてしまい勝負ありとなった。日本勢では2021年のソルトレイクシティ大会で野中生萌が銅メダルを獲得しているが、日本男子によるW杯表彰台は初の快挙。スピードでは他国に後れを取ってきた日本に、大政がさらなる成長を促すであろう結果をもたらした。

 男子優勝は中国勢対決を制したロン・ジャングオ。女子は開幕3連勝中だったアレクサンドラ・ミロスラフ(ポーランド)が欠場した中でナタリア・カルッカ(ポーランド)が優勝した。次回第5戦は現地時間7月7、8日にフランス・シャモニーで行われる。

女子表彰台=(左から)エマ・ハント、ナタリア・カルッカ、デン・ルイウン

【大政涼コメント】
「6月には国内大会で日本記録を更新することができ、ここ最近調子が上がっていたので、今大会では絶対に決勝に残りたいと思っていました。その結果、表彰台に立つことができ、今でも実感がありません。来週にはシャモニー大会が行われるので、しっかり調整していきたいです」

<リザルト>

[男子]
1位:ロン・ジャングオ(CHN)/5秒26
2位:チャン・リャン(CHN)/FALL
3位:大政 涼(JPN)/5秒30
4位:サミュエル・ワトソン(USA)/FALL
――――――
14位:安川 潤(JPN)/8秒61 ※決勝T進出
33位:藤野 柊斗(JPN)/5秒55
52位:竹中 翔(JPN)/6秒12
66位:田渕 幹規(JPN)/6秒79

[女子]
1位:ナタリア・カルッカ(POL)/6秒55
2位:エマ・ハント(USA)/8秒37
3位:デン・ルイウン(CHN)/6秒49
4位:ベアトリース・コリー(ITA)/7秒10
――――――
26位:竹内 亜衣(JPN)/7秒87
33位:河上 史佳(JPN)/8秒31
41位:林 かりん(JPN)/8秒84
44位:林 奈津美(JPN)/9秒01

※左から順位、氏名、所属国、記録
※記録は、1・2位はビッグファイナル(優勝決定戦)、3・4位はスモールファイナル(3位決定戦)でのタイム
※安川潤の記録は決勝トーナメントでのタイム

CREDITS

編集部 / 写真 © Lena Drapella/IFSC

※当サイト内の記事・テキスト・写真・画像等の無断転載・無断使用を禁じます。

back to top