東京五輪に出場したロシア出身のユリア・カプリナ

スポーツクライミングのロシア勢、パリ五輪出場不可に 24年からの大会復帰手続き開始決定で

 IFSC(国際スポーツクライミング連盟)は12日、ロシア、ベラルーシ出身選手の国際大会復帰を2024年から容認する手続きを開始すると発表した。理事会で決定され、その際は中立の立場として個人資格での出場になるという。

 IFSCは2022年3月からロシアとその同盟国ベラルーシの選手の大会参加を停止している。今回の決定は、ウクライナ選手への支援、スポーツと政治の分離、すべての選手が競技できるという原則を再確認した上で、6月に提出されたタスクフォースの助言に基づいたものとなったという。マルコ・スコラリス会長は「大会復帰へのプロセス決定は簡単なものではなかった。IFSCはロシアのウクライナ侵攻に断固として抗議し、常にウクライナをサポートしていく」とコメントを発表している。

 IFSCの発表を受けて、東京五輪にも出場したロシア出身でスピード元女子世界記録保持者のユリア・カプリナが自身のInstagramを更新。「パリ五輪選考大会への出場機会がなくなったと同時に、私を含めた多くのアスリートのパリ五輪出場の夢が消滅しました。IFSCは2024年から中立の立場での大会参加を認めるかもしれませんが、2023年の結果でしかパリ五輪への出場権は得られません。東京五輪でのミスを挽回して、パリ五輪には強くなった自分で挑めるよう夢見ていたし、そのチャンスがもう一度あるんじゃないかと毎朝思っていました。でも今、私は虚しさでいっぱいです」などと心境を綴った。

 2024年のパリ五輪に向けたスポーツクライミングの選考レースは、今年8月の世界選手権からスタート。その後、年内の各大陸予選を経て、来年には予選シリーズも予定されているが、同シリーズには今年の国際大会の成績上位選手が出場できるとされているため、ロシア、ベラルーシ出身選手のパリ五輪出場の可能性は事実上絶たれる形となった。

CREDITS

編集部 / 写真 © Dimitris Tosidis/IFSC

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