表彰台に上がった(左から)鈴木音生、小俣史温、吉田智音

16歳・小俣史温が初優勝! 十代で表彰台独占【リードジャパンカップ2023】

 26日午後、千葉県印西市の松山下公園総合体育館でリードジャパンカップ(以下LJC)決勝が行われ、男子は16歳の小俣史温(しおん)がシニア初優勝を飾った。2、3位にはいずれも18歳の鈴木音生、吉田智音が入り、十代が表彰台を独占した。

 競技は準決勝8位だった上村悠樹からスタート。上村が中盤を過ぎた24+に終わった後、この記録を大幅に更新したのが2番手の鈴木音生。選択したムーブが次々と決まり、最後は薄いピンチを捉え切れなかったがゴール直前の38+でフィニッシュした。

2位でシニア初表彰台となった鈴木

 続いて樋口純裕、本間大晴、百合草碧皇と世界ランキング10位以内の実力者たちの出番となるも鈴木の記録には及ばず。同7位の吉田智音は肘が曲がり疲労が色濃くなってからの脅威の粘りで高度を伸ばしたが35手からの一手で力尽きた。

LJC4大会連続表彰台の吉田。パンプしてからの粘りが見事だった

 残すはこれまでユース日本選手権などでしのぎを削ってきた小俣と安楽宙斗の16歳2人(学年は小俣が1つ上)。先に登る小俣は予選2位、準決勝2位と好調を続けてきたことを示すように、決勝もテンポ良く高度を上げていく。疲労を感じさせない様子で小さいホールドが続く最終セクションに入り、未踏の39手目にチャレンジしたが惜しくも落下。鈴木と同じ記録で並ぶも準決勝で上位だった小俣が首位に浮上した。

予選から安定していた小俣。決勝でもパフォーマンスが崩れることはなかった

 最後に登る安楽は中盤からペースが上がりグングンと高度を上げていく。しかし途中何度かムーブを仕切り直したことで調子が狂ったか、戦前の予想に反して25+にとどまり、予選からの1位を保つことはできなかった。この結果、小俣はシニア1年目にしてうれしい初優勝。場内インタビューでは笑顔もこぼれた。2位の鈴木はこちらもシニア初表彰台。3位の吉田は4大会連続でLJCのメダル獲得となった。

安楽は惜しくも表彰台に届かなかった

 今大会の結果と、2月4、5日に行われたボルダージャパンカップの結果を受けて、第6期パリ五輪強化選手のSランクに楢崎明智、Aランクに楢崎智亜、Bランクに小俣が内定した。Sランクの楢崎明智は8月の世界選手権出場が確実に。同選手権で複合種目(ボルダー&リード)の3位以内、日本人2位以内に入れば、パリ五輪代表に内定する。

<決勝リザルト>

1位:小俣 史温(東京都山岳連盟)/38+
2位:鈴木 音生(静岡県山岳・スポーツクライミング連盟)/38+
3位:吉田 智音(奈良県立青翔高等学校)/35+
4位:百合草 碧皇(早稲田大学)/34+
5位:本間 大晴(明治安田生命)/28+
6位:樋口 純裕(佐賀県山岳・スポーツクライミング連盟)/26+
7位:安楽 宙斗(千葉県立八千代高等学校)/25+
8位:上村 悠樹(東京都立上野高等学校)/24+

※左から決勝順位、氏名、所属先、成績(高度)
※同高度の場合は準決勝順位の高い選手が上位

「リードジャパンカップ2023」大会特設サイト
大会公式掲示板(競技順・成績速報などはこちらから)

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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