表彰台=(左から)谷井菜月、森秋彩、野中生萌

森秋彩が女子4連覇達成で6度目V【リードジャパンカップ2023】

 千葉県印西市の松山下公園総合体育館で26日午後、スポーツクライミングのリードジャパンカップ(以下LJC)決勝が行われ、女子は19歳の森秋彩が4大会連続6度目の優勝に輝いた。

 森、谷井菜月、久米乃ノ華、柿崎未羽、伊藤ふたば、平野夏海、野中生萌、小池はなが進出した女子決勝。まずは先頭の小池が34+の好記録。続く野中は近年取り組んでいる持久力トレーニングの成果を発揮して小池を2手上回る36+をマークした。

野中は国内シニアのリード公式戦で初の表彰台となる3位に入った

 3番手の平野は身長がハンデとなってしまい、距離のあるスタートでまさかの失敗。伊藤が34+で小池に並んだ後、5番手の柿崎もスタートをミス。平野と同じ1+で競技を終えてしまう。久米は28+にとどまり表彰台に食い込むことはできなかった。

 準決勝2位で7番手の谷井も野中や伊藤らに比べると身長差がありスタートが危ぶまれたが、何とか乗り切ると勢い付いて終盤に侵入する。足の切れるデッドポイントもうまく処理して初の40台となる43+を記録した。

谷井は2位。2大会連続でLJCの表彰台に上がった

 最後には、ここまで予選2課題、準決勝1課題をいずれも完登してきた森が登場。身長の低い森もスタートに時間を要したが2手目にたどり着くと、時間をかけながら上昇する。さすがの持久力で谷井の記録超えに成功し、完登への期待が高まったが、トップホールド到達までは時間が足りず、レストを挟めずに46+で力尽きた。それでも最高到達点を計測して大会4連覇を達成した。

森は昨年のLJCからリードW杯、コンバインドW杯、CJC(コンバインドジャパンカップ)、そして今大会とリードを含んだ大会で負けなしを続けている

 2位には谷井菜月、3位には野中生萌がランクイン。野中は国内シニアのリード公式戦で初の表彰台となった。今大会と今月上旬に行われたボルダージャパンカップ(以下BJC)の順位に応じたポイントの合計で決まる第6期パリ五輪強化選手には、Bランクに野中が内定。LJCで優勝した森とBJCで優勝した伊藤はそれぞれ一方の大会で4位に終わり、まったく同じ順位による同スコアで合計点1位タイで並んだため、4月8、9日に鳥取県倉吉市で行われるコンバインドジャパンカップで順位の高かったほうがSランク、低かったほうがAランクとなる状況に。Sランクに入ると、今年8月にスイスで開催される世界選手権の出場権などを得ることができ、そこで複合種目(ボルダー&リード)の表彰台かつ日本人2位以上になるとパリ五輪代表に内定する。

<決勝リザルト>

1位:森 秋彩(茨城県山岳連盟)/46+
2位:谷井 菜月(明治安田生命)/43+
3位:野中 生萌(無所属)/36+
4位:伊藤 ふたば(無所属)/34+
5位:小池 はな(川口市立高等学校)/34+
6位:久米 乃ノ華(日本大学)/28+
7位:柿崎 未羽(早稲田大学)/1+
8位:平野 夏海(東京都山岳連盟)/1+

※左から決勝順位、氏名、所属先、成績(高度)
※同高度の場合は準決勝順位の高い選手が上位

「リードジャパンカップ2023」大会特設サイト
大会公式掲示板(競技順・成績速報などはこちらから)

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

※当サイト内の記事・テキスト・写真・画像等の無断転載・無断使用を禁じます。

back to top