(左から)2位の中川瑠、優勝の森秋彩、3位の野中生萌

森秋彩が国内も制する! 2種目複合で負けなし【コンバインドジャパンカップ2022】

 13日午後、スポーツクライミングの第5回コンバインドジャパンカップ(愛媛・石鎚クライミングパークSAIJO)女子決勝が行われ、リードで他を圧倒した19歳の森秋彩(あい)が優勝。先月のコンバインドW杯に続き国内大会でも2種目複合を制した。

 昨日の予選を経て、決勝には森、谷井菜月、野中生萌、葛生真白、久米乃ノ華、中川瑠、倉菜々子、竹内亜衣が進出。ボルダリングはゴール取りの難しい第1課題を中川がリーチを生かして攻略すると、野中、森も完登。中川と森は第2課題も連続で登り切った。第3、第4課題で完登は出ず。強度の高い最終課題で足を切らさず最初のゾーンに到達し、ラスト一手まで迫った森が1ゾーン分のおよそ5ポイント差で2位・中川を上回る69.7ポイントを手にした。

 リードはダブルダイノの11手目付近とボリュームがせり出した26~30手目が鬼門となった。予選2位の中川と同3位の野中は最初の難関を越えるも、ムーブの組み立てに苦しみ30+で競技を終える。最後に登場した森は、カンテにつま先をかけてダブルダイノせずに序盤を通過すると、見事なポジショニングで2つ目の難所も乗り越える。その後1手につき4ポイントが加算される未踏のセクションに突入し、無限と思える持久力でゴールに近づいたが、トップホールドにかけた手は滑り落ちてしまった。

鬼気迫る表情でリードの最終局面を登る森

 森は完登できずに悔しそうな表情を見せるも、96.1ポイントを獲得し、リードでは2位にほぼダブルスコアとなる大差をつけた。両種目の合計は2位・中川の112.5ポイントに対し165.8ポイントで文句なしの優勝。先月のコンバインドW杯盛岡大会を予選、準決勝、決勝と全ラウンド1位で制していた森は、今大会も予選を首位通過しており、2種目複合での負けなしを5ラウンドに伸ばした。3位には野中がランクイン。上位3人にはパリ五輪強化選手の権利が与えられるが、森と野中はすでに選出されているため、中川が新たに同強化選手に内定した。

<決勝リザルト>

1位:森 秋彩(茨城県山岳連盟)
 165.8pt(B 69.7pt/L 96.1pt)
2位:中川 瑠(日本大学)
 112.5pt(B 64.4pt/L 48.1pt)
3位:野中 生萌(無所属)
 97.7pt(B 49.6pt/L 48.1pt)
4位:倉 菜々子(愛知県山岳連盟)
 60.6pt(B 24.5pt/L 36.1pt)
5位:竹内 亜衣(千葉市立千葉高等学校)
 53.5pt(B 14.5pt/L 39.0pt)
6位:久米 乃ノ華(日本大学)
 36.7pt(B 29.7pt/L 7.0pt)
7位:葛生 真白(栃木県山岳・スポーツクライミング連盟)
 31.4pt(B 24.4pt/L 7.0pt)
8位:谷井 菜月(明治安田生命)
 25.7pt(B 19.6pt/L 6.1pt)

※上段左から順位、氏名、所属先
※下段左から2種目のポイントを合算した複合ポイント、各種目のポイント(B=ボルダリング、L=リード)

「第5回コンバインドジャパンカップ」大会特設サイト
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編集部 / 写真 JMSCA/アフロ

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