新たに世界記録を樹立したキロマル・カティビン

大政涼が日本新記録を樹立 世界新も誕生、夢の4秒台に迫る【スピードW杯2022第4戦 ヴィラール大会】

 クライミングW杯のスピード第4戦ヴィラール大会(スイス)が現地時間6月30日から行われ、大政涼が予選で日本新記録となる5.61秒をマークした。

 今年のスピードジャパンカップで優勝していた大政は安川潤が5月に計測した5.69秒を上回り、日本記録保持者として初めてその名を刻んだ。しかし順位は18位で、予選上位16人による決勝トーナメントには進めず。16位選手のタイム(5.58秒)にもわずかに届かなかった。

大政涼 ※写真は世界大学選手権(写真:Danijel Jovanovic/FISU)

 大政はJMSCA(日本山岳・スポーツクライミング協会)を通じて「1つの目標だった日本記録更新を成し遂げることができて本当にうれしい」とコメント。「まだまだ記録更新できる自信がある」とも述べ、さらなる躍進を期待させた。男子は大政の18位、女子は林かりんの26位が最高で、日本勢の予選通過はならなかった。

 一方、今大会では男子で世界新記録が誕生した。現世界記録保持者のキロマル・カティビン(インドネシア)が予選で5.09秒、5.04秒と立て続けに最速記録を叩き出した(これまでの記録は5.10秒)。インドネシアのスピードスターが今年世界記録を更新したのは4回目。夢の4秒台が目前に迫っている。

 1日(日本時間2日)には決勝が行われ、男子は5秒台前半を連発した中国勢が表彰台を独占。5.23秒と5.24秒というハイレベルな同国勢対決を制した19歳のロン・ジャングオがW杯初出場初優勝を果たした。女子でも中国勢が活躍してワンツーフィニッシュ。今シーズン全勝のアレクサンドラ・ミロスラフは欠場した。

0.01秒差で決着した男子ビッグファイナル

男子表彰台は中国勢が独占した

大政涼コメント
「スピード種目をやるにあたっての1つの目標だった日本記録更新を成し遂げることができて本当にうれしいです。まだまだ記録更新できる自信があるので、次戦のシャモニー大会でも頑張っていきます」

<リザルト>

[男子]
1位:ロン・ジャングオ(CHN)/5.23秒
2位:ウー・パン(CHN)/5.24秒
3位:ロン・ジンバオ(CHN)/5.16秒
4位:ベドリック・レオナルド(INA)/fall
――――――
18位:大政 涼(JPN)/5.61秒 ※日本新
35位:藤野 柊斗(JPN)/5.90秒
36位:安川 潤(JPN)/5.92秒
48位:三田 歩夢(JPN)/6.27秒
49位:池田 雄大(JPN)/6.28秒

[女子]
1位:デン・ルイウン(CHN)/6.87秒
2位:ニウ・ディー(CHN)/8.22秒
3位:デサク・マデ・リタ・クスマ・デウィ(INA)/7.06秒
4位:アンナ・ブロジェク(POL)/7.39秒
――――――
26位:林 かりん(JPN)/8.10秒
28位:竹内 亜衣(JPN)/8.24秒
30位:河上 史佳(JPN)/8.33秒
45位:林 奈津美(JPN)/9.65秒

※左から氏名、所属国、成績
※成績は、1・2位はビッグファイナル(優勝決定戦)、3・4位はスモールファイナル(3位決定戦)の記録

CREDITS

編集部 / 写真 © LenaDrapella / IFSC

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