男子表彰台に上がった(左から)2位のアンゼ・ペハルク、優勝の緒方良行、3位の藤井快

緒方良行が今季初優勝! 藤井快、野中生萌も表彰台【ボルダリングW杯2022第4戦 ソルトレイクシティ大会】

 クライミングW杯のボルダリング第4戦が米国・ソルトレイクシティで28、29日(日本時間29、30日)に行われ、男子で緒方良行が今季初優勝を飾った。藤井快は3位、野中生萌は女子2位に入り、日本男女3人がメダルを獲得した。

 29日の男子決勝には、準決勝1位の藤井、同2位の緒方、同5位の川又玲瑛が進出。ファイナリスト6人中3人を日本勢が占め、緒方は今季4戦連続、川又はソルトレイクティでの2連戦でいずれも決勝に残った。第1課題は5人が完登。緒方だけが一撃して首位発進する。パワフルな第2課題は4人が登り切り、緒方、アンゼ・ペハルク(スロベニア)、チョン・ジョンウォン(韓国)がまったく同じスコアで並ぶも準決勝順位へのカウントバックで緒方が首位をキープした。

 これまでとは一転してスタティックに進む第3課題では、チョンが失敗して優勝争いから後退。ペハルク、緒方はともにフラッシュで上位2人は変わらず、3連続完登とした藤井が3位に浮上した。先に登るペハルクは最終課題も1トライで沈め、緒方にプレッシャーをかける。優勝のためには1度のミスも許されない状況で出番を迎えた緒方は、強度の高い課題内容に見事なボディバランスで対応しトップホールドに到達。今季は2位、3位、2位と好調ながら優勝に届いていなかった24歳が、W杯通算3度目の頂点に輝いた。藤井も同じく全完登して3位に入り、連続表彰台を狙った川又は5位にとどまるも3完登して見せ場をつくった。

最終課題の一撃で優勝を決め、雄叫びを上げる緒方

藤井も今季2度目の表彰台を決めた

 一方の女子決勝には、準決勝3位の野中、同6位の伊藤ふたばが駒を進めた。第1、第2課題はアテンプト数の差はあれど6人全員が完登し、東京五輪5位のブルック・ラバトゥ(米国)が首位に立つ。完登が途絶えたのは第3課題。先頭の伊藤がスタート後のコーディネーションムーブを決めるなどして3完登に達すると、2番手のソ・チェヒョン(韓国)が同ムーブに苦戦して連続フラッシュしていた勢いがストップ。その後、軽やかな身のこなしで完登した野中がアテンプト数の差でラバトゥを抜き暫定首位に立った。

 キャンパシングなどで体力を奪われる最終課題は、他選手とは異なるアプローチで前課題を攻略し会場を沸かせていたナタリア・グロスマン(米国)が圧巻の一撃。1トライで完登すれば優勝の決まる野中は渾身のトライを繰り広げるも半ばで力尽きてしまい、その後はラバトゥも完登ならず。この課題で唯一の完登をマークしたグロスマンが逆転で3連勝を達成した。トップフォームに戻りつつある野中は3位だった先週から順位を上げて2位でフィニッシュ。こちらもキレのある動きで3完登した伊藤は惜しくも表彰台に届かず、自己最高タイの4位で終わった。

第1戦、第2戦と決勝を前に敗退していた野中だが、ここ2戦は表彰台に立つなど調子が上向いている

女子表彰台=(左から)2位の野中、優勝のグロスマン、3位のラバトゥ

<決勝リザルト>

[男子]
1位:緒方 良行(JPN)/4t4z 5 5
2位:アンゼ・ぺハルク(SLO)/4t4z 5 5
3位:藤井 快(JPN)/4t4z 9 8
4位:チョン・ジョンウォン(KOR)/3t4z 4 5
5位:川又 玲瑛(JPN)/3t3z 7 6
6位:ロス・ファルカーソン(USA)/2t2z 4 3
――――――
18位:高田 知尭(JPN)※準決勝進出
19位:土肥 圭太(JPN)※準決勝進出
20位:井上 祐二(JPN)※準決勝進出
21位:山口 賢人(JPN)
31位:吉田 智音(JPN)

[女子]
1位:ナタリア・グロスマン(USA)/4t4z 10 4
2位:野中 生萌(JPN)/3t4z 5 5
3位:ブルック・ラバトゥ(USA)/3t4z 6 4
4位:伊藤 ふたば(JPN)/3t4z 9 9
5位:ソ・チェヒョン(KOR)/2t4z 2 8
6位:アヤラ・ケレム(ISR)/2t4z 3 8
――――――
10位:倉 菜々子(JPN)※準決勝進出
21位:松藤 藍夢(JPN)
23位:青柳 未愛(JPN)
41位:小池 はな(JPN)

※左から順位、氏名、所属国、決勝成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

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編集部 / 写真 © Daniel Gajda/IFSC

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