男子優勝は緒方良行(中央)。2位に藤井快(右)、3位に石松大晟が入った

男子優勝は緒方良行 藤井快とのスーパーファイナルを制する【THE BOULDER BATTLE 2021】

 「牛乳石鹸 presents THE BOULDER BATTLE 2021」(以下、ボルダーバトル)男子の部が6日夜、クライミングジム「Fish and Bird」(東京都江東区)で行われ、W杯ボルダリングで今シーズン年間1位の緒方良行が世界選手権王者・藤井快をスーパーファイナルで破り、初出場初優勝を飾った。

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 ファン投票で選出された出場者は緒方、藤井、土肥圭太、天笠颯太、杉本怜、安楽宙斗、古堅雄士、石松大晟の8人。緒方vs石松の九州勢対決となったトーナメント1回戦第1試合は体の振られに耐えた緒方が4トライ目に完登して勝利。第2試合では大会発案者の杉本が到達高度に対するアテンプト数の差で天笠を上回り勝ち抜きを決めた。

男子出場選手たち

 第3試合は9月の世界選手権を制した藤井、昨年杉本を破る番狂わせを演じた古堅の対決。ここは序盤のキャンパシングを安定して処理した藤井が古堅を超える高度をマークして準決勝に進出した。石松とともに昨年同着優勝した土肥と若干14歳の安楽が相まみえた第4試合は、スタートから飛び出すと同時に右足トウフックをピタリと止めた安楽が完登して勝利。これで石松、土肥の前回優勝者2人が敗者復活戦に回ることとなった。

初戦を突破した藤井

 準決勝の第1試合ではアテンプト数の差で杉本に黒星を付けた緒方が決勝へ。第2試合では的確なムーブの読みでファーストトライから強傾斜をぐんぐんと進みゴール取りまで迫った安楽、パワフルな登りでゴール取りのムーブを繰り返した藤井の両者とも譲らず延長戦に突入する。ここでも先攻の安楽が1トライ目でランジを決めてTOPホールドに触れると、藤井も同じムーブで落下し最後までスコアに変動はなし。規定によりファン投票上位の藤井が決勝行きの切符を手にした。最年少出場者の安楽は健闘するも3位決定戦に回った。

今年の世界ユース選手権でユースBのリードを制した安楽。先輩に見劣りしないパフォーマンスを見せた

 決勝は緒方と藤井による今シーズン好調同士の一戦。用意された強度の高い難関に対し、先攻の緒方はキャンパシング、ガストンを力強く決めてフラッシュ。一方、1トライ目に失敗していた藤井は次のトライで修正し完登。アテンプト数に関係なく両者完登すればスーパーファイナルへと進む決勝特別ルールにより、勝負の行方は最終決戦に委ねられた。

スーパーファイナルに進出しお互いを称える藤井と緒方

 スーパーファイナルでは先に登る緒方が3トライ目に会心のトライ。勢いよく後半のムーブを繋げて一気にTOPホールドにたどり着いた。後がなくなった藤井は3トライ目に懸けるも、疲労の蓄積からか最後はゴール前で力尽きてしまった。女子では森秋彩が頂点に立っており、今年のボルダーバトルは男女ともファン投票1位選手が優勝する結果となった。緒方は優勝賞金50万円を獲得。2位の藤井には30万円が、敗者復活戦、3位決定戦でいずれも唯一の完登者となり3位に入った石松には10万円が贈られた。

スーパーファイナルで完登してみせた緒方。大会初優勝を飾った

「THE BOULDER BATTLE 2021」公式サイト

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