男子表彰台=(左から)竹田創、楢崎智亜、安川潤

有言実行の日本新! 5.72秒で楢崎智亜が大会初優勝 スピードジャパンカップ2021【男子】

 スポーツクライミングの第3回スピードジャパンカップが6日午後、京都府亀岡市の「サンガスタジアム by KYOCERA グラビティリサーチ」で行われ、男子は自身の持つ日本記録を更新した楢崎智亜が大会初優勝を果たした。

 23名がエントリーした予選では、5.90秒の日本記録を持つ東京五輪代表・楢崎智亜が試技1本目に5.96秒をマーク。トップランカーの威厳を示して、首位通過を決める。

 楢崎は上位16名による決勝トーナメントの初戦でスリップするなど冷や汗をかくが、すぐに切り替えて相手を逆転。ベスト4には楢崎に加え、安川潤、竹田創(はじめ)、百合草碧皇(あお)のユース勢3人が駒を進めた。

 ビッグファイナル行きを懸けた一戦では、楢崎が5.79秒の日本新記録を樹立。優勝決定戦は、昨年3位かつ、この日午前に行われたユース日本選手権でジュニアカテゴリーを制した竹田との対決となった。

 最終決戦でもスタートから勢いよく飛び出した楢崎は、ゴールを目がけて全速力で駆け上がっていく。自身が編み出した「トモアスキップ」に加え、同じくホールドをショートカットする「マルチンスキップ」、「サブリ・サブリ」という新技も駆使した一連のムーブが計測したのは5.72秒。またもや日本記録を更新する活躍で、大会初優勝を飾った。大会前に「5.7秒くらいはいきたい」と目標を掲げていたが、練習でも計測したことのなかったタイムを大会本番でたたき出し、見事に有言実行となった。

日本新記録樹立かつ、優勝決定の瞬間。

 コンバインドジャパンカップの優勝経験はある楢崎だが、単種目のジャパンカップ優勝は意外にもこれが初めて。5.72秒はスピードW杯でのメダル獲得も視野に入るタイム(世界記録は5.48秒)であり、このままさらに記録を伸ばすことができれば、世界トップクラスの選手たちと完全に肩を並べることになる。2位は竹田、3位は安川となり、ユース日本選手権のジュニア上位陣がランクインしている。

<決勝リザルト>

1位:楢崎 智亜(TEAM au)/5.72秒
2位:竹田 創(仙台城南高等学校)/FALL
3位:安川 潤(千葉県山岳・スポーツクライミング協会)/6.51秒
4位:百合草 碧皇(埼玉県山岳・スポーツクライミング協会)/FALL

※左から氏名、所属先、成績
※1・2位はビッグファイナル(1位決定戦)、3・4位はスモールファイナル(3位決定戦)の記録

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CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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