男子表彰台=(左から)楢崎智亜、土肥圭太、竹田創

土肥圭太が国内シニア初制覇!スピードジャパンカップ2020【男子】

 22日、第2回スピードジャパンカップ(モリパークアウトドアヴィレッジ=東京・昭島)は女子に続いて男子優勝者が決定し、19歳の土肥圭太が国内主要大会で初の栄冠に輝いた。

 予選は、昨年大会と比べ平均タイムがアップ。半数以上の選手がコンスタントに7秒台を計測し、日本勢の実力底上げを感じさせられるラウンドとなった。首位に立ったのは池田雄大。楢崎智亜との組み合わせで登場した前回王者は、1本目を7秒台前半でまとめると、2本目にこの日初の6秒台をマーク(6.709秒)。スピード専門選手の意地を見せた。対して、この日選手たちを苦しめた“風”の餌食となったのが原田海。1本目は途中で落下、2本目は風で揺れるロープの影響から11秒台と落ち込み、24選手中23位で予選敗退となってしまった。

予選を首位で通過した前回王者の池田雄大だったが…。

 楢崎智、藤井快、緒方良行ら有望選手が多く顔をそろえた決勝。そのベスト16の初戦では、池田が足をスリップさせて敗れる波乱。通過ラインぎりぎりで予選を突破した清水裕登に勝ち抜けを許してしまう。その後もレースは続き、ベスト4には清水に勝利した今泉結太、徐々にタイムを上げてきた土肥圭太、続けざまの6秒台で会場を沸かせた楢崎智、昨年3位・抜井亮瑛との同世代対決を制した17歳・竹田創が進出した。

 セミファイナル1戦目では、さらにタイムを縮めた土肥が今泉に勝利する。スピードを得意とする選手同士の対決となった楢崎vs竹田の2戦目では、好勝負を繰り広げるも終盤に差し掛かるところで竹田が足を滑らせ、6.420秒の楢崎に軍配が上がった。

 勝てば、どちらも単種目のジャパンカップ初優勝となる2人の対戦となったビッグファイナル。出だしはほぼ同時だったが、中盤で楢崎がスリップする痛恨のミス。追い上げも空しく、ほとんどのレースで安定していた土肥がここでも先にゴールまで到達した。

 敗れた楢崎はボルダリングジャパンカップから連続の2位。3位には昨年の「au SPEED STARS 2019」で準優勝するなどこの種目での将来も期待される竹田が入り、シニア国内大会で初の表彰台に上がっている。優勝した土肥は、嬉しいシニア国内大会の初制覇。東京五輪の出場枠が懸かるアジア選手権(実施時期・開催地未定)の代表選出に向けて、大きく弾みをつける勝利となった。

 今シーズンのジャパンカップは、これでボルダリングを含め2大会が終了。2週間後の3月7・8日には、第33回リードジャパンカップ(埼玉・加須市民体育館)の開催が控えている。

ビッグファイナルで先にゴールする土肥圭太。

楢崎智亜は2位に終わったが、6秒台を連発するなどさすがの実力を見せつけた。

競技以外のパフォーマンスでも観客を惹きつけた竹田創は、3位決定戦に勝利してシニア国内大会初の表彰台に。

<決勝リザルト>

1位:土肥 圭太(鹿児島県山岳・スポーツクライミング連盟)/6.734秒
2位:楢崎 智亜(TEAM au)/7.328秒
3位:竹田 創(仙台城南高等学校)/6.898秒
4位:今泉 結太(日本ウェルネススポーツ大学)/7.012秒

※左から氏名、所属先、成績
※1・2位はビッグファイナル(1位決定戦)、3位はスモールファイナル(3位決定戦)の記録

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CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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