日本男子は8名が予選通過!/ボルダリングW杯2017 第4戦・八王子大会

 5月6日、ボルダリングW杯2017第4戦の男子予選が八王子で行われ、日本勢は堀創、緒方良行、渡辺海人、杉本怜、渡部桂太、藤井快、石松大晟、楢崎智亜の8名が準決勝へ駒を進めた。

 男子予選・第1グループの1番手で登場した楢崎は第1、第2課題は連続で一撃するが、第3課題で苦戦を強いられた。「体を安定させる前に手を出してしまう癖が出てしまった」と、苦戦の理由を語ったが、それでも4アテンプトで粘りの完登を見せる。しかしそこで力を使い過ぎた影響が第4課題で出てしまい、完登は逃してボーナス止まり。トータル4完登8アテンプトで15位とギリギリでの予選通過となった。

 南京大会優勝の渡部は楢崎と同じ第1グループを登り、第3課題まで一撃を刻んでいった。しかし同じく第4戦課題をクリアできず。4完登5アテンプトとまずまずの成績ながら11位での通過となった。楢崎、渡部を上回る活躍を見せたのが緒方と渡辺だ。第1課題からアテンプトを重ねてしまうものの着実に完登を積み上げ、難関の第4戦課題もクリア。第1グループで5完登は2人だけで緒方は1位、渡辺は4位で予選を通過した。

 一方、第2グループは全5課題完登者が7人と混戦を極める。2番手で登場した藤井は5完登するも12アテンプトを重ねてしまい13位で通過。それよりも活躍が目立ったのは堀で、5課題をすべて一撃。チョン・ジョンウォンと並んでの1位通過となった。さらに杉本怜も一撃を3つ並べ、5完登8アテンプトと安定感ある登りでアレクセイ・ルブツォフと共に5位で通過した。これで第2戦・重慶大会の10人通過、第3戦・南京大会の7人通過に続づいて、八王子では8人が通過という日本の層の厚さを見せつける結果に。また、開催国枠の石松は15位、16歳今泉結太もW杯初出場で35位と健闘するなど今後が期待できる選手の活躍も目立った。

15位通過となった楢崎智亜(左)とトップ通過を果たしたチョン・ジョンウォン(右)

難関の第4課題を攻略した緒方良行

楢崎智亜コメント
「今日はかなりミスが多かったです。中国での大会の課題よりも日本の課題の方が作り込まれていて動きが細かかったです。ちょっとしたミスも許されなくて、そこで結構スリップしてしまった。今年のW杯の中でも一番目玉の大会だと思っていて、最近国内のW杯で優勝した日本人がいないので、ここで優勝することで注目度も一気に上がると思うので気合が入っています」

藤井快コメント
「すごく難しく感じて5完登をギリギリでできたという印象。今年のジャパンカップを登っているみたいな感じでした。壁が一緒なのでジャパンカップの時とそれほど違和感なく登れました。ただ、より難しくなっているので緊張はしましたけど、いつも通りやれたと思います。予選が一番緊張するし、ここを突破できるかを一番気にしていたので、明日はたぶん大丈夫だと思います」

渡部桂太コメント
「この3戦が終わった後の第4戦はちょっといつもより緊張しました。体の疲れもあり、週1回で大会に出ていると頭も疲れてしまうので、集中力がちょっと下がっていたかもしれない。優勝して注目された選手だと思われがちですが、自分としては年々レベルアップをしっかりと感じて、国内の代表選考もしっかりとピーキングできていたと思う。そういった意味で今年は初戦からしっかりと決勝を狙えるんだという自信を持っていて、そのポテンシャルが自分にあったというのが結果が出ている要因だと思います」

予選通過者は下記の上位20名。準決勝は女子と同じく明日7日の9時より行われる。

<男子予選>
1位 チョン・ジョンウォン(韓国/21)5t5 5b5
1位 堀 創(27)5t5 5b5
1位 緒方 良行(19)5t9 5b7
4位 渡辺 海人(20)5t16 5b12
5位 アレックス・ハザーノフ(イスラエル/22)5t8 5b6
5位 アレクセイ・ルブツォフ(ロシア/28)4t4 5b5
5位 杉本 怜(25)5t8 5b6
8位 ジェレミー・ボンダー(フランス/25)4t5 5b5
9位 アルバン・レビエ(フランス/22)4t5 5b6
9位 ヤコブ・シューベルト(オーストリア/26)5t9 5b8
11位 タイラー・ランドマン(イギリス/26)5t10 5b7
11位 渡部 桂太(23)4t5 5b7
13位 藤井 快(24)5t12 5t8
13位 ニコラ・プロルソン(フランス/26)4t6 4b5
15位 石松 大晟(20)4t4 5b5
15位 楢崎 智亜(20)4t8 5b5
17位 マニュエル・コルニュ(フランス/23)4t4 5b6
17位 ミカエル・マウェム(フランス/26)4t4 5b6
17位 ガブリエーレ・モローニ(イタリア/29)4t8 5b8
20位 ダーフィット・フィルネンブルク(ドイツ/21)4t9 5b11
―― ―― ――
21位 波田 悠貴(19)
21位 村井 隆一(22)
25位 楢崎 明智(17)
31位 中野 稔 (33)
35位 今泉 結太(16)
35位 山内 響 (18)
37位 藤脇 祐二(21)
43位 武者 知希(19)
45位 山内 誠 (22)
47位 北江 優弥(19)
57位 中上 太斗(17)
61位 亀山 凌平(20)
75位 小福田 透(22)

※予選は2つのグループに分かれて行なわれ、順位は両グループの総合成績で集計される。リザルト詳細はコチラ

CREDITS

篠幸彦 / 写真 牧野慎吾

back to top