表彰式前の取材に応じた(左から)安楽宙斗、森秋彩、大政涼

森、安楽、大政が五輪控える新年の思い語る 森はパン屋でアルバイト

 13日に都内で開かれたJMSCA(日本山岳・スポーツクライミング協会)の2023シーズン表彰式。登壇を前に、ボルダー&リード種目でパリ五輪代表に内定している森秋彩、安楽宙斗、今年5、6月の五輪予選シリーズでのパリ行きを目指すスピード種目の大政涼が囲み取材に応じた。

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 スピードで日本男子初のW杯表彰台(3位)に上がった大政は、2023年を「とても満足のいくシーズンになりました」と振り返った。この冬は「速いタイムを出すだけでなく、安定性を求めた練習に取り組んできた」とパート練習に力を入れてきたといい、パリ五輪を目指すにあたっては「5.1秒台や5.2秒台をどんな壁でも安定して出せるような選手になることが大切」と力を込めて説いた。

 ボルダーとリードでW杯年間優勝を果たし、同じ年に2種目で頂点に立つ史上初の快挙をシニア初参戦のシーズンに成し遂げた安楽は、昨年を「躍動がすごい1年だった」と自ら評し、「少ない練習時間でしたけど、大会を重ねていく中で何ができるか考えて、11月のパリ五輪アジア予選まで着実に一歩一歩強くなっていくことができました」と充実感を漂わせた。

 強さの要因を問われると「ユースの頃は我慢が苦手で、力を使ったり、トレーニングをそこまでしてこなかったりして、テクニックで登っていた。そこから筋肉や力をうまく使った登りができてきたことで活躍できたんじゃないかと思う」と自己分析。「7位だった去年よりは絶対に強くなっていると思うので、楽しみです」と2024年初戦となる2月のボルダージャパンカップ(以下BJC)への意気込みも示した。「金メダルを取れたら」とパリ五輪にも照準を合わせていく。

 この年末年始に「思いつきで名古屋旅行に行って、クライミングなしでリラックスできた」と話したのは森。昨年20歳となり、迎えた成人式の日には振袖姿でお世話になっているジムにあいさつに行ったという。そこで祝いの言葉などをかけてもらったことで「自分をサポートしてくれている人の温かみを感じられた」とし、「自分がスポーツに打ち込んでこられているのは、実力だけじゃなくてこういう環境を整えてくれてる人たちがいるおかげだなって感じられました」と感謝の言葉を口にした。

 さらに「スポーツ界にいるだけだと学べることは限られてくるから」とパン屋でのアルバイトを始めたといい、「人生を充実したものにしたい」と社会勉強にも積極的だ。「一番好きなのは塩パン。あとはコッペパン」と好みも教えてくれた。2月のボルダー、リード各ジャパンカップ(佐賀)に向けては「苦手な寒さにどう対応できるかが力を出せるかに関わってくるので、今はあえて半袖で練習して寒さへの忍耐力をつけている。W杯の出場権は取れているので、(日本代表選考を兼ねるジャパンカップへの)プレッシャーは普段よりは少ないけど、五輪までの貴重なコンペの経験として良い成績残せたら」と語った。五輪本番については「一生懸命取り組んでいけば、結果はおのずとついてくると思う」と静かに闘志を燃やした。

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