ジュニア女子を制した平野夏海(中央)。左は2位の工藤花、右は3位の滝口萌

平野夏海がリードとの2冠達成で有終の美【ボルダリングユース日本選手権2021】

 スポーツクライミングの第7回ボルダリングユース日本選手権決勝が19日、鳥取県立倉吉体育文化会館で行われ、女子ジュニアでリードユース日本選手権に続く優勝を果たした平野夏海をはじめ各カテゴリーで優勝者が決定した。

 前日の予選を勝ち抜いた各カテゴリー6人のファイナリストたちで争われた決勝。午前のユースB(2006、07年生まれ)ファイナルでは、男子第3課題を唯一完登した杉本侑翼が全3完登をマーク。予選から連続1位でフィニッシュし、3月のスピードユース日本選手権と合わせて今季2冠を達成した。女子では永嶋美智華が第2、第3課題を一撃し、予選首位だった関川愛音を完登に要したアテンプト数「1」の差でかわして頂点に立った。

 正午過ぎからスタートしたユースA(2004、05年生まれ)では、男女とも優勝者のみが全3完登に到達した。男子ではアテンプトを重ねながらも第1、第2課題を登り切った関口準太が最後は一撃して2大会ぶりの優勝。女子では各課題で完登者がばらける混戦を最後に登る野部七海がすべて攻略し、出場5大会目で初優勝となった。

ジュニアカテゴリーの男子では坂本大河が最終課題を残り1秒で完登。ユース最終年での大会初優勝を果たした

 夕方に行われた最年長カテゴリーの男子ジュニア(2002、03年生まれ)では、予選首位タイだった坂本大河、佐野大輝の2人が第2課題まで連続完登。最終第3課題では先に登る坂本が序盤のダブルダイノを6トライ目に決めると、5番手にして初めてゾーンを獲得しそのままTOPホールドへのランジも成功。残り1秒での完登で喜びを爆発させた。最終競技者の佐野はゾーン獲得にとどまり、坂本がユース最終年での大会初優勝を成し遂げた。

 一方の女子は第1課題、最終6番手の平野が見事なボディバランスと保持力で初完登を記録。全課題で完登者が出た他のカテゴリーとは違い、ハードな課題が並んだ女子ジュニアはその後TOPホールドを手中に収める選手は現れず、平野がそのまま逃げ切る形となった。前回女王の平野はこれで大会2連覇。さらに今年5月に制したリードユース日本選手権に続く2冠達成となり、自身最後のユース大会を有終の美で飾った。
 

<表彰台一覧>

男子ユースB(2006、07年生まれ)
1位:杉本 侑翼(名張市立北中学校)/3t3z 8 6
2位:藏敷 慎人(兵庫県山岳連盟)/2t3z 2 3
3位:安楽 宙斗(八千代市立大和田中学校)/2t3z 4 4

女子ユースB(2006、07年生まれ)
1位:永嶋 美智華(静岡県山岳・スポーツクライミング連盟)/3t3z 4 4
2位:関川 愛音(八戸市立湊中学校)/3t3z 5 3
3位:長谷川 颯香(東京都山岳連盟)/3t3z 9 4

男子ユースA(2004、05年生まれ)
1位:関口 準太(栃木県山岳・スポーツクライミング連盟)/3t3z 11 7
2位:松岡 玲央(兵庫県山岳連盟)/2t3z 4 5
3位:三根生 仁慈(大阪府山岳連盟)/2t3z 5 6

女子ユースA(2004、05年生まれ)
1位:野部 七海(埼玉県山岳・スポーツクライミング協会)/3t3z 6 6
2位:小倉 紗奈(奈良県山岳連盟)/2t3z 5 5
3位:竹内 亜衣(千葉市立千葉高等学校)/2t3z 9 14

男子ジュニア(2002、03年生まれ)
1位:坂本 大河(北海道山岳連盟)/3t3z 10 10
2位:佐野 大輝(愛知県山岳連盟)/2t3z 8 14
3位:平澤 鼓太郎(大阪府山岳連盟)/1t2z 1 4

女子ジュニア(2002、03年生まれ)
1位:平野 夏海(日本体育大学)/1t3z 3 6
2位:工藤 花(山形県山岳連盟)/0t3z 0 8
3位:滝口 萌(福島県山岳連盟)/0t3z 0 10

※左から氏名、所属先、決勝成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

「第7回ボルダリングユース日本選手権倉吉大会」大会特設サイト
大会公式掲示板(競技順・成績速報などはこちらから)

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編集部 / 写真 JMSCA/アフロ

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