森秋彩「また感動してもらえるような登りがしたい」 リードジャパンカップ2020

 11日に3日間の日程を終えた第33回リードジャパンカップ(岩手県営運動公園スポーツクライミング競技場=盛岡市)は、西田秀聖、森秋彩の十代2人が優勝を飾った。以下、決勝を終えた選手たちのコメント一覧。

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西田秀聖(男子優勝)
「応援してくださった方々と、開催していただいた方々に感謝をしたい。優勝は単純に嬉しい。レストポイントを作ることを意識していて、それが上手くハマったと思う。最後の出番でプレッシャーは重かったが、自分はまだ大会に出始めで、挑戦者なんだと思ってトライしたことで上手く対処できた。(核心のランジパート攻略について)ランジ課題などボルダリングの練習量を増やしたことが自信に繋がっていた。(昨季W杯ブリアンソン大会優勝と今大会を比べると)日本の課題はボルダー部分が難しいが、ボルダーを苦手としている自分が勝てたので、日本での優勝のほうが嬉しい」


吉田智音(男子2位)
「自分の予想を超える順位を獲得できて正直に嬉しい。下部は悪かったが、日々の持久力トレーニングによって上部まで力を温存できたことが大きかった。(感じた課題は)初決勝だったので完登よりは一手でも伸ばそうとオブザベーションしたが、それだとゴール手前のイメージが固まっていなかった。これからはオブザベーションも意識していかなければいけないと感じた。W杯で決勝に残って結果を出していける選手になっていきたい」


田中修太(男子3位)
「1カ月程しか準備期間がなく、全く調子が上がらない中での参加だったのでとても驚いている。メンタル的に気負わず何も考えないで登れたのが良かったと思う。大会ではユースの選手たちとの持久力の差を感じたので、基本的な持久力トレーニングを集中してやっていきたい。W杯の年間優勝を目標に頑張っていく」


楢崎智亜(男子4位)
「決勝は下部からかかりがよくて距離がある感じで、テンポよく登りやすい課題だった。上部でもニーバーを使って休めたが、最後の最後でムーブに迷ってしまい、その結果スリップしてしまった。ギリギリでのムーブの選択や、クリップするポイントもまだまだ下手だと思う。(持久力を今大会のテーマとしていたが)最上部でも前腕に余裕はあり、以前の大会に比べるとついてきていると思う」


藤井快(男子5位)
「昨日(の準決勝)と違ってテンポを上手く作れなかった。ところどころで止まらないといけないようなシチュエーションがあったが、そこで一息ついて立て直すことができなかった。最後のクリップポイントを飛ばしてしまったが、疲れたり、追い詰められたときに焦ってしまうので、いかに自分をコントロールしていくかも含めて、自粛期間で足りなかった練習量をこれから増やしていきたい」


森秋彩(女子優勝)
「自粛期間明けは持久力が落ち、自分の持ち味が無くなって不安だったが、この大会のために何とか取り戻せてまた発揮することができた。(完登後に笑顔がなかったが)安心はしたが、まだ余裕があった。もっと練習した成果を出し切りたかったという思いがあったので、登れたことは嬉しかったが、喜び切れないところがあった。今大会で自信が付いたので、今後開催される大会があれば、見てくださっている方々に感動してもらえるような登りをまたしたいと思う」


野口啓代(女子2位)
「決勝は予選や準決勝より簡単だったと思うので、登らないといけない緊張感の中で完登できたのは良かった。大会を開催していただき非常にありがたく思っているし、久しぶりにみんなと会えて嬉しかった。(暑さとの戦いでもあったが)こまめに水分補給をして熱中症にならないように気を付けていた。私はあまり手に汗をかくタイプではないので、汗は気にならない。ちょうど今の時期が東京五輪と同じ時期なので、この夏に暑い環境で沢山練習して来年に備えたい」


柿崎未羽(女子3位)
「とにかく嬉しい。目標はファイナルに残ることで、正直表彰台に上がれるとは思ってもいなかったので驚きもあるが、すごく自信になった。1年間ずっと目標にしてきたLJCが延期になってしまい目標を失っていたが、この大変な中で大会を開催してくださった岩手県、そしてスタッフの方々には本当に感謝したい。つらいことも多く、行き詰まることも多かったが、沢山の練習をしたことが自信となり、また多くの方々の支えがあったからこそ、この結果に繋がったと思う。私は小柄なので、距離出しが1番の課題。国際大会ではもっと距離が遠くなると思うので、その距離感に対応できるように強化していきたい。目標はW杯決勝の舞台で戦うこと」


伊藤ふたば(女子7位)
「地元で決勝に進めたのはとても嬉しいこと。去年は決勝に残れなかったので、まずは決勝に残ることを目標にしていた。課題は下からかなり細かいカチが続いていて、持久力が必要とされるルートだった。落ちてしまう一手前のアンダー取りで肘が上がってきてしまって、パンプして限界に近くなっていた。完登はできなかったが出し切ることはできたので良かったと思う。上位選手と比べて持久力がまだ足りていないので、そこを上げていきたい。昔からW杯や世界選手権で優勝することが夢で、今も自分の一番やりたいことは大会で活躍すること。それにフォーカスするためにも、来年からはプロとして活動していけたらいいなと思っている」

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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