小学3・4年生の男女メダリストたち

フューチャーカップVの深澤要、橋本暖らが優勝【オリエンタルバイオ presents 第8回全国ボルダー小学生競技大会】

 「オリエンタルバイオ presents 第8回全国ボルダー小学生競技大会」が12、13日、福岡県飯塚市の「いいづかスポーツ・リゾート ザ・リトリート テニスコート」で開催され、3・4年生と5・6年生の各男女別で4人全員が初優勝を飾った。

 初の福岡開催となった今大会には約170人が参加。これまで小学生大会の課題を手掛けてきた伊東秀和氏、永田乃由季氏、波田悠貴氏らが今回も熱戦を演出した。今大会からポイント制が導入され、8課題によるコンテスト方式で行われた12日の予選では5・6年生男子で決勝進出の8人全員が完登し199点台で並ぶなど接戦が繰り広げられた。

MCを務めた(手前2人目から)伊東秀和氏、永田乃由季氏、波田悠貴氏

決勝オブザベーションの様子

 13日の決勝は3課題によるW杯方式で行われた。3・4年男子は大井響が優勝した。予選の上位4人が第1課題を攻略できなかった中で、上背のある大井は着実にムーブをつなげて2連続完登。逃げ切りで予選6位から決勝1位に順位を上げた。

3・4年男子優勝の大井響

 3・4年女子は上位3人が全3課題を完登。齋藤果子が2位の結城心晴に0.5ポイント差で1位に立った。第1課題はサイファーから飛びつくのではなくスタティックなムーブを選択した結城が見事にムーブを組み立てて会場を沸かせる。結城は3連続完登したが、すべて2アテンプト以内に登り切った齋藤が上回った。

3・4年女子優勝の齋藤果子

 5・6年男子は深澤要(かなめ)が頂点に輝いた。昨年大会で5年生ながら決勝を戦っていた深澤は安定した登りを披露。第1課題でテクニカルさを見せると第2課題ではパワフルなムーブも決めて連続完登する。3つの飛びつくムーブで構成された最終課題も3アテンプトで仕留め、2位の江見奏人に0.3ポイント差で戴冠した。深澤は昨年11月のリードフューチャーカップ、今年9月のボルダーフューチャーカップ(以下BFC)で優勝しており、好調が続いている。

5・6年男子優勝の深澤要

 5・6年女子も今年のBFCで優勝した橋本暖(ひなた)が金メダルを手にした。第1課題はゴール下のマントルを中々返せない展開が続くも、予選上位4人が続けて完登。橋本とBFCの優勝を分け合っていた坂本和佳奈は左ひざを支点にして両手を添えるようにして攻略した。第2課題は足の置き位置に迷うなどポジションが定まりにくく、完登者は3人に減少。中村ちひろ、坂本の2人が連続で一撃し、橋本は4アテンプトを要したため後れを取った。

 最終課題は強傾斜を進む難関となった。中盤まで保持が続かず、全員のスコアにゼロが並ぶかと思われたが、最終8番手の橋本が実質最後のトライでゾーンへの一手を止める。会場からは歓声が上がり、トップホールドには届かなかったが第3課題で唯一ポイントを獲得して逆転優勝を果たした。

5・6年女子優勝の橋本暖

 いずれも大会初優勝となった4人には、大会冠スポンサーのオリエンタルバイオがサポートする森秋彩、関川愛音によるプライベートレッスン権などが贈られた。

3・4年男子表彰台


1位:大井 響/59.5pt
2位:浅野 翔大/59.2pt
3位:原田 晴汰/58.6pt
 

大井響(優勝)コメント
「優勝できてよかったです。一撃を心掛けました。(東京から)ここまで来て登って頑張ってよかったと思います。(アテンプト数の意識は普段の練習から?)コンペ前は心掛ける時もありますし、コンペ期じゃなくてどんどん登る時はトライ数を気にしないで登れる課題の強度をどんどん上げる時もあります。将来の夢はオリンピックで大活躍して金メダルを取る選手になることです。(目標にしている選手は?)(日本代表の安楽)宙斗くんを超えることです」

3・4年女子表彰台


1位:齋藤 果子/74.8pt
2位:結城 心晴/74.3pt
3位:柴山 未羽/74.2pt
 

齋藤果子(優勝)コメント
「優勝できてうれしいです。全小で1位になるって思っていたし、(腕に書いた)『逆手の意識』『背中の意識』『思い切りつかみにいく』ことを練習から意識してきました。練習より強くいこうと思っちゃうと絶対できなくなるんです。だから練習通りにいこうと心掛けました。将来の夢はボルダリングチャンピオンになることです」

5・6年男子表彰台


1位:深澤 要/74.6pt
2位:江見 奏人/74.3pt
3位:安本 梛生/74.0pt
 

深澤要(優勝)コメント
「全小で表彰台に上がったことがなかったのでうれしいです。去年は5年生で決勝に残れたけど何もできなくて、4年生の時も弱点があり過ぎると思ったのが悔しい思い出でした。バランス系の課題が苦手だったのでそこを練習してきました。(9月のBFCでも優勝。強くなっている実感は?)あります。練習で今までできなかったムーブが軽々できるようになってきたりとか、基本的な懸垂とかもできるようになったりしています。(強くなれているのは)普段の練習からできなくても諦めなかったからだと思います。(憧れの選手は)女子のヤンヤ・ガンブレット選手です。将来はワールドカップで優勝したいです」

5・6年女子表彰台


1位:橋本 暖/59.3pt
2位:中村 ちひろ/50.0pt
3位:坂本 和佳奈/50.0pt
 

橋本暖(優勝)コメント
「3年生からずっと出ているんですけど、いつも優勝できなくてとても悔しかったので、最後の年で優勝できてよかったです。(3課題目でゾーンを取れば優勝ということは)何となくわかっていました。焦らないで慎重に取ろうと思いました。(大会に向けて普段登っている群馬県のホワイトロックで同じ群馬出身の)要くんたちとセッションしたりオンサイトトレーニングしたりして鍛えていました。憧れの選手はヤンヤ・ガンブレット選手と野口啓代さんです。リードもボルダーも両方強いからです。将来の夢は日本代表になってオリンピックで1位を取ることです」

※順位表は左から順位、氏名、決勝成績(獲得ポイント)
※ポイントはゾーン到達で10点、完登で25点。各課題のポイント獲得までにフォールした回数×0.1点が減点される

「オリエンタルバイオ presents 第8回全国ボルダー小学生競技大会」公式サイト

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 髙山展誉

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