
男子表彰台に上がった(左から)ロバーツ、鈴木、ヒネス・ロペス
鈴木音生がW杯初優勝 日本男子が開幕3連勝を飾る【リードW杯2025 第3戦インスブルック大会】
クライミングW杯のリード第3戦男女決勝が現地時間29日、オーストリアのインスブルックで行われ、男子で日本の鈴木音生がW杯初優勝に輝いた。
鈴木は2課題を登る予選でただ一人の完登を片方のルートで記録し2位発進すると、1本のルートを登る準決勝もセミファイナリスト24人の中で唯一「TOP」をスコアに刻んで単独首位に立った。
男子決勝で完登した鈴木
決勝は先頭の選手が登り切るなど完登シーンが何度も見られ、最終競技者の鈴木を迎えるまでに4人が完登を果たした。優勝には完登しかない状況で競技を始めた鈴木は、慌てる素振りを見せずに淡々と高度を上げていく。最終局面に突入すると、難なく進み約30秒を残して完登。ガッツポーズで観客からの声援に応えた。第1戦で2位、第2戦で6位と好調を続ける20歳が自身初のW杯制覇を成し遂げた。
今シーズンは第1戦を安楽宙斗、第2戦を吉田智音が制しており、日本男子が3連勝を飾った。今大会の安楽は9位で惜しくも準決勝敗退。吉田は決勝に進出して完登を決めたものの、準決勝順位の関係で4位にとどまりメダルにはあと一歩届かなかった。
女子決勝ルートを登るガンブレット
一方の女子決勝はこのインスブルック大会が今シーズン初出場となったヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)がボルダーに続いて頂点に立った。ガンブレットは予選の2ルートをいずれも完登、準決勝も最高高度で首位を維持すると、決勝も2位に8手差をつけて優勝した。難易度が高い中で唯一高度40台に達し、笑顔で競技を終えた。日本勢は谷井菜月の11位が最高で決勝進出はならなかった。
<決勝リザルト>
[男子]
1位:鈴木 音生(JPN)/TOP
2位:トビー・ロバーツ(GBR)/TOP
3位:アルベルト・ヒネス・ロペス(ESP)/TOP
4位:吉田 智音(JPN)/TOP
5位:ヤニック・フローエ(GER)/TOP
6位:マックス・ベルトン(FRA)/40
7位:イ・ドヒョン(KOR)/39+
8位:ジェシー・グルーパー(USA)/33
―――――
9位:安楽 宙斗(JPN)※準決勝進出
14位:村下 善乙(JPN)※準決勝進出
26位:樋口 純裕(JPN)
29位:小俣 史温(JPN)
[女子]
1位:ヤンヤ・ガンブレット(SLO)/41
2位:ラウラ・ロゴラ(ITA)/33
3位:エリン・マクニース(GBR)/32+
4位:ローサ・レカー(SLO)/31+
5位:アニー・サンダース(USA)/30
6位:ソ・チェヒョン(KOR)/30
7位:エロイーズ・デュモン(BEL)/28+
8位:ルチカ・ラコヴェッチ(SLO)/19+
―――――
11位:谷井 菜月(JPN)※準決勝進出
14位:中川 瑠(JPN)※準決勝進出
19位:小田 菜摘(JPN)※準決勝進出
34位:葛生 真白(JPN)
38位:平野 夏海(JPN)
49位:小林 舞(JPN)
※左から順位、氏名、所属国、決勝成績(高度)
※同高度の場合は前ラウンド順位の高い選手が上位
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文 編集部 / 写真 © IFSC
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