
表彰台に上がった(左から)天笠颯太、安楽宙斗、イ・ドヒョン
安楽宙斗が後半に追い上げて開幕3連勝 天笠颯太が2位 杉本怜は競技生活に幕【ボルダーW杯2025 第3戦ソルトレイクシティ大会】
米国・ソルトレイクシティで現地時間25日(日本時間26日)、クライミングW杯ボルダー第3戦の男子決勝が行われ、後半に追い上げた安楽宙斗が逆転優勝を決めて開幕3連勝を果たした。2位には天笠颯太が入り、日本勢がワンツーフィニッシュを遂げた。
6人が出場した日本勢は予選から躍動。楢崎明智がAグループで、藤脇祐二がBグループで唯一の全課題完登をマークしてトップに立った。準決勝では3完登4ゾーンの84.3ポイントで2位に約10ポイント差をつけた安楽が首位に浮上。藤脇、天笠颯太、杉本怜、楢崎明智も準決勝に進出し、ファイナリスト8人のうち5人を日本人選手が占める形となった。
銀メダルを獲得した天笠
決勝の第1課題は1番手のコリン・ダフィー(米国)と天笠の2人が完登する。天笠は指先の力を発揮して前半パートを突破すると、難関となったトップホールドへのムーブを2トライ目に決めた。勢いに乗る天笠は第2課題もアグレッシブに進み、テンポよくムーブをつなげて登り切った。
天笠が優勝争いをリードする中、第1課題で失敗していた安楽が追い上げる。第2課題を完登すると、卓越したバランス感覚で第3課題は一撃。他に完登したのは藤脇のみで、上位との差を縮めることに成功する。
優勝には最終課題を完登するしかない状況で、安楽は見事に一撃。開幕3連勝を飾った
最終課題、暫定首位の天笠を超えるには完登しかない状況で出番を迎えた安楽は、最初のアテンプトから苦戦する様子もなく完登に近づいていく。そしてゴール取りも容易に攻略し、無傷の開幕3連勝を飾った。2位には天笠が入り、日本男子は6年連続でソルトレイクシティ大会の表彰台に複数人が上がる格好に。前日には女子で中村真緒が優勝しており、男女で日本人選手が頂点に立った。
他の日本勢は楢崎明智が5位、藤脇が7位、杉本が8位に終わった。33歳の杉本はこれが競技生活最後の大会となった。選手や観客が見守る中で引退スピーチの場が設けられ、W杯での優勝経験もあるベテランに大きな拍手が送られた。
競技生活最後の大会となった杉本怜
<決勝リザルト>
1位:安楽 宙斗(JPN)/84.4pt
2位:天笠 颯太(JPN)/69.6pt
3位:イ・ドヒョン(KOR)/69.5pt
4位:コリン・ダフィー(USA)/59.6pt
5位:楢崎 明智(JPN)/54.8pt
6位:メジディ・シャールック(FRA)/54.4pt
7位:藤脇 祐二(JPN)/44.3pt
8位:杉本 怜(JPN)/29.5pt
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10位:楢崎 智亜(JPN)※準決勝進出
※左から順位、氏名、所属国、獲得ポイント
※ポイントはゾーン到達で10点、完登で25点。各課題のポイント獲得までにフォールした回数×0.1点が減点される
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文 編集部 / 写真 @xsloba / IFSC
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