女子年間表彰台に上がった(左から)野中、グロスマン、ラバトゥ

グロスマンが年間3連覇 野中は2年連続準V【ボルダーW杯2023 女子年間ランキング】

 2023シーズンのクライミングW杯ボルダーは女子最終第6戦が15日のインスブルック大会で終了し、女子の年間ランキングが確定した。3年連続でナタリア・グロスマン(米国)が頂点に立ち、野中生萌が日本勢最高の2位、ブルック・ラバトゥ(米国)が3位で昨年とまったく同じ並びの年間表彰台となった。

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 今シーズンは第1戦からラバトゥ→野中→グロスマン→オリアーヌ・ベルトン(フランス)→グロスマン→ヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)の順で優勝した。昨年は6戦中5勝して独走優勝したグロスマンは第1戦、第2戦で決勝を逃すなどらしくないパフォーマンスだったが、自国開催となった第3戦ソルトレイクシティ大会での優勝を皮切りに調子を上げ、第4戦をスキップしたのちに第5戦で1位、第6戦で2位と上位を続けて3連覇を達成した。

女子年間3連覇に輝いたグロスマン[写真:© Jan Virt/IFSC]

第2戦ソウル大会で5年ぶりのW杯優勝を果たした野中。左はベルトン、右はラバトゥ[写真:© Dimitris Tosidis/IFSC]

 2位の野中は降雨の影響で準決勝結果が最終成績となった第2戦ソウル大会で5年ぶりにW杯制覇。その後は決勝に2度進出するなどして第5戦終了時点の4位から順位を上げてフィニッシュした。18歳のベルトンは第5戦、第6戦を欠場したことで4位にとどまったものの、第4戦でW杯初優勝を果たすなど自国開催のパリ五輪に向けて順調に経験を積んでいる。東京五輪女王のガンブレットは負傷で出遅れたため2戦のみの出場となったが最終戦で優勝し8位にランクイン。その他、今年W杯デビューの15歳アナスタシア・サンダース(米国)が9位に入りさらなる躍進を予感させている。

2021年のW杯デビュー戦で準優勝に輝いて以降、2位を4度経験していたベルトン。今季第4戦でついに優勝した[写真:© Jan Virt/IFSC]

15歳ながら年間9位に入ったサンダース。世界ユース選手権では21年にスピード以外を3冠、22年にボルダーを連覇している(いずれもユースB)[写真:© Slobodan Miskovic/IFSC]

 野中に次ぐ日本勢は伊藤ふたば。2度決勝に進んだ一方で4位だった昨年になかった予選落ちを2度喫するなど安定感を欠いてしまい13位に終わった。8月に開催される世界選手権のボルダー、リード各種目の日本代表に内定している松藤藍夢は八王子での開幕戦で3位の好成績を収めるなど自己最高の14位。同じく内定者の森秋彩は3戦に出場して20位だった。W杯初参戦ながら全戦を戦った15歳の関川愛音は18位。自己最高位は第5戦での11位だった。

<W杯年間ランキング>

1位:ナタリア・グロスマン(USA)/3527.5
2位:野中 生萌(JPN)/3005
3位:ブルック・ラバトゥ(USA)/2990
4位:オリアーヌ・ベルトン(FRA)/2649.5
5位:アヤラ・ケレム(ISR)/1995
6位:スターシャ・ゲヨ(SRB)/1893
7位:オセアニア・マッケンジー(AUS)/1880
8位:ヤンヤ・ガンブレット(SLO)/1805
9位:アナスタシア・サンダース(USA)/1765
10位:ソ・チェヒョン(KOR)/1744.5
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13位:伊藤 ふたば(JPN)/1614.16
14位:松藤 藍夢(JPN)/1614
18位:関川 愛音(JPN)/1137.5
20位:森 秋彩(JPN)/1105
22位:青柳 未愛(JPN)/919
25位:中川 瑠(JPN)/812
46位:久米 乃ノ華(JPN)/250
47位:倉 菜々子(JPN)/241
55位:葛生 真白(JPN)/145
56位:小池 はな(JPN)/137.5
71位:大河内 芹香(JPN)/68

※左から順位、氏名、所属国、ポイント
※日本人選手は11位以下も掲載

CREDITS

編集部 / 写真 © Lena Drapella/IFSC

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