ブルック・ラバトゥ「支えてくれたみんなに感謝したい」【ボルダーW杯2023 第1戦八王子大会】女子決勝後の選手コメント

 22日に東京都のエスフォルタアリーナ八王子で行われたクライミングW杯開幕戦となるボルダー第1戦の女子決勝は、ブルック・ラバトゥ(米国)がW杯初優勝を飾り、2位にハンナ・ミュール(ドイツ)、3位に松藤藍夢(あのん)が入った。以下、表彰台に上がった選手たちの主な一問一答。

関連記事:ラバトゥがW杯初優勝 3位・松藤も初表彰台【ボルダーW杯2023第1戦 八王子大会】


ブルック・ラバトゥ(優勝/米国)

――初めて優勝した今の気持ちは?
「いろんな気持ちがこみ上げてくる。今まで支えてきてくれたみんなに感謝したいし、とてもいい経験ができた」

――ファイナルで印象的な課題は?
「4課題ともに楽しかったけど、オブザベーションした時から4課題目が最もエキサイティングだと思っていた。(実際に登ってみて)より多くのパワーや精神力が必要で、さらにそれを出し切ることが重要で存在感があった」

――今大会全体を振り返ると?
「予選は全体的にうまくいっていたと思う。飛びつくような課題などがありアテンプトが多くなってしまったが満足する登りだった。準決勝はハードな課題が多かったけどとてもいい感じでトライできた。その流れで決勝はうまく集中できた」

――決勝で唯一登れなかった2課題目については?
「完登できたと思うし、自分自身完登できるとも思っていたけど、良い結果とはならなかった。かなりハードな内容だった」

――今シーズンの目標は?
「この調子を継続して、できるだけ多くの課題を登り、完登を目指していきたい。2024年のパリ五輪は間違いなく目標のひとつだけど、今のこの調子を継続していければと思う」

――オフシーズンのトレーニングはどんなことを?
「これまでとそこまで変えずに同じようなトレーニングをしていた。大学を卒業したばかりなので、コーチとトレーニングに集中する時間が多く取れて、自分の弱点を克服して強みを伸ばすことができたと思う。トレーニングを楽しむこともできた」

――日本での滞在はどうだった?
「最高だった! チームメイトや友達と早めに日本に来て、美味しいものを食べたり、きれいな庭園やお寺を見て回ったりした。日本が大好きで、本当に楽しい時間を過ごすことができた」


ハンナ・ミュール(2位/ドイツ)

――2位で終えた今の心境は?
「すごくうれしいし、今シーズン最高のスタートを切られてよかった」

――ファイナルで印象的な課題は?
「一撃した最初の課題で、今でもうれしくて思いがこみ上げてくる。完登して振り返ると歓声を上げている大勢の観客がいて、忘れられない!」

――今大会全体を振り返ると?
「素晴らしい大会だった。新しいシーズンが始まるのを待ちわびていたし、予選からホームで登っているような気分でチャレンジできた。予選、準決勝とラウンドを重ねるごとにより楽しんで登ることができた。決勝もこれまでにない感覚で集中して楽しめた」

――今シーズンの目標は?
「これまでやってきたことをしっかり続けて、さらにレベルアップしていきたい。五輪出場という大きな夢がある。そのためにベストを尽くして、なるべく早く出場権を得たい。本当にクライミングが好きで、コンペも大好きなので、この思いを多くの人とシェアして競技の魅力を伝えていければとも思っている」

――日本での滞在はどうだった?
「ドイツから長旅ではあったけど、最高の体験ができた。B-PUMP荻窪で他の国のクライマーと一緒に練習もできたし、クライミングの強い日本に来られて多くの刺激を受けた。何といっても多くの日本人が応援してくれて本当によかった」

――ドイツのジムとは何が違った?
「大きな違いは、強いクライマーがたくさんいて、課題も難しいものが多いこと。ドイツでは、小さくて、商業目的なジムが多く、日本と比較するのは難しいけど異なる印象がある。日本ではみんなモチベーションが高くて、限界に挑戦している感じ。こういった環境が自分自身の限界を引き上げていくことになるので素晴らしいと思うし、それを日本で体験できたこともよかった」


松藤藍夢(3位)

――初のW杯表彰台となった今の心境は?
「決勝は1課題も完登できず悔しいけど、初めての表彰台に乗れてうれしい気持ちでいっぱい。うれしさが7割、悔しさが3割くらい。決勝に日本人1人だけというだけでもびっくりしていた。準決勝は課題のタイプが合っていたが決勝は全然戦えなかったので、やっぱりトップとの差はあるなと感じた」

――決勝各課題を振り返ると?
「第1課題はゴール前のすごく大きいホールドをマッチするところで落ちてしまった。大きいホールドを抱えるのが昔から苦手で、まだ克服できていないなと思った。

 2課題目は、1手目のコーディネーションにトライ数をかけてしまいヨレてしまった感じがあって、上も決め切れなかった。

 3課題目は最初の立ち上がるコーディネーションの部分は2トライ目に修正できてすごくよかったけど、上の丸い薄いホールドのゾーンは足も手も悪くてまったく対応できなかった。

 4課題目はゾーン前のホールドを1度も取れず、ムーブをいろいろ変えてみたけどできなくて、体幹とかが全然足りないと感じた」

――第2課題のスイングの際、途中から向きを変えていたが?
「1トライ目の向きが自分には合っていないなと思ってしまって、向きを変えたらできそうだったのでそうした」

――それは臨機応変に対応できたという成長でもあるのか?
「そうですね。ムーブの幅は増えたかなと思うけど、他の選手は違ったみたいなので、そっちのムーブもできたらいいなと思う」

――シーズン開幕戦を表彰台でスタートできたが?
「順調すぎて怖い。調子もいいし、その後が不安だけど、この後の大会もちゃんと結果を出せるようにしていきたい。去年腰を痛めてしまったので、その分いっぱいトレーニングしたというか。それが今の結果につながったかなと思う」

――今シーズン、力を入れて高めていきたいところは?
「自分は上半身と下半身のつながりがあまりよくないので、お腹周りとかを強化したいのと、あとは上半身で登ってしまう癖があるので、下半身もちゃんとトレーニングして、下半身も使えて登れたら一番いいなと思う」

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

※当サイト内の記事・テキスト・写真・画像等の無断転載・無断使用を禁じます。

back to top