30歳アスパルが自国開催で4年ぶり優勝 日本勢は安川が決勝T進出【スピードW杯2022第7戦 ジャカルタ大会】

 2022シーズンのクライミングW杯スピード最終第7戦がインドネシア・ジャカルタで24日に行われ、男子はアスパル・アスパル(インドネシア)、女子はデン・ルイウン(中国)が優勝した。日本勢最高は決勝トーナメントに進出した安川潤の男子16位だった。

ジャカルタの高層ビル群を背景にした会場

 スピード強豪国・インドネシアでの開催となった今大会は、予選からそのインドネシア勢が躍動。男女とも首位は好タイムを残した同国勢だった。日本勢は安川が5.62秒で決勝トーナメント進出ライン上の16位となり、初出場で6位入賞した昨年のソルトレイクシティ大会以来となるW杯16強入りを果たした。

日本勢で唯一決勝トーナメント進出を果たした安川潤

 男子はベスト4を決める一戦で、年間ランキング1位のベドリック・レオナルドと、同2位で5.00秒の世界記録を持つキロマル・カティビンによるインドネシアのトップ2が対決。大声援の中、0.01秒差のデッドヒートを制したのはキロマルだった。ビッグファイナルには準決勝でいずれも中国勢を破ったキロマルとアスパルが進出。インドネシアの新旧エース対決は自己ベストで上回るキロマルが序盤をリードするも、中盤で失速。その間にアスパルが抜き去り、ゴールに先着した。終始安定して5秒台前半のタイムを残し続けた30歳のベテランが、母国の大観衆の前で2018年呉江大会以来となる自身2度目のW杯優勝を成し遂げた。安川は初戦で自己ベストに迫る5.56秒をマークするも相手選手に及ばず、16位で大会を終えた。

男子ビッグファイナル

男子表彰台=(左から)キロマル、アスパル、ツァオ・ロン(中国)

 女子は地元勢を抑え、中国勢とポーランド勢が2人ずつベスト4に進出。最終的には中国のデンが6.66秒の好タイムで今季W杯3勝目を挙げた。日本勢は林かりんの26位が最高で、決勝トーナメント進出はならなかった。

女子表彰台=(左から)ナタリア・カルッカ(ポーランド)、デン、アレクサンドラ・カルッカ(同)

 これでスピードは今季のW杯全日程が終了。男子はベドリックが4455ポイントで2年連続の年間優勝、女子はアレクサンドラ・カルッカ(ポーランド)が4680ポイントで初めて年間女王の座に輝いた。日本勢では大政涼の男子26位(927ポイント)、林かりんの女子22位(1063ポイント)が最高成績だった。 

男子年間表彰台=(左から)キロマル、ベドリック、ロン・ジンバオ(中国)

女子年間表彰台=(左から)エマ・ハント(米国)、アレクサンドラ・カルッカ、ナタリア・カルッカ

<リザルト>

[男子]
1位:アスパル・アスパル(INA)/5.39秒
2位:キロマル・カティビン(INA)/5.75秒
3位:ツァオ・ロン(CHN)/5.16秒
4位:ロン・ジンバオ(CHN)/FALL
――――――
16位:安川 潤(JPN)/5.56秒 ※決勝T進出
27位:池田 雄大(JPN)/5.96秒
39位:大政 涼(JPN)/6.69秒
45位:藤野 柊斗(JPN)/7.92秒
51位:竹田 創(JPN)/FALSE START

[女子]
1位:デン・ルイウン(CHN)/6.66秒
2位:ナタリア・カルッカ(POL)/7.20秒
3位:アレクサンドラ・カルッカ(POL)/6.81秒
4位:ニウ・ディー(CHN)/FALL
――――――
26位:林 かりん(JPN)/8.70秒
27位:金谷 春佳(JPN)/9.07秒
32位:林 奈津美(JPN)/9.50秒
33位:多月 萌々菜(JPN)/10.17秒

※左から氏名、所属国、タイム
※タイムは、1・2位はビッグファイナル(優勝決定戦)、3・4位はスモールファイナル(3位決定戦)の記録
※安川潤のタイムは決勝トーナメントの記録

<W杯年間ランキング>

[男子]
1位:ベドリック・レオナルド(INA)/4455
2位:キロマル・カティビン(INA)/4080
3位:ロン・ジンバオ(CHN)/3105
4位:エリク・ノヤ・カルドーナ(ESP)/2955
5位:サミュエル・ワトソン(USA)/2725
6位:ルドヴィコ・フォッサリ(ITA)/2534
7位:ジョン・ブラスラー(USA)/2460
8位:ロン・ジェングオ(CHN)/2380
9位:アスパル・アスパル(INA)/2245
10位:ギヨーム・モロ(FRA)/2115
26位:大政 涼(JPN)/927
34位:池田 雄大(JPN)/602
38位:藤野 柊斗(JPN)/443
48位:安川 潤(JPN)/248
51位:三田 歩夢(JPN)/199
53位:梶 晃悠(JPN)/180
54位:竹田 創(JPN)/174.6
55位:北見 宗和(JPN)/170

[女子]
1位:アレクサンドラ・カルッカ(POL)/4680
2位:エマ・ハント(USA)/3950
3位:ナタリア・カルッカ(POL)/3820
4位:デン・ルイウン(CHN)/3380
5位:アレクサンドラ・ミロスラフ(POL)/3000
6位:ニウ・ディー(CHN)/2385
7位:キャプシーヌ・ビグリオーネ(FRA)/2365
8位:パトリシア・フージャック(POL)/2345
9位:アウレリア・サリソン(FRA)/2210
10位:デサク・マデ・リタ・クスマ・デウィ(INA)/2140
22位:林 かりん(JPN)/1063
26位:河上 史佳(JPN)/716
36位:竹内 亜衣(JPN)/353
38位:林 奈津美(JPN)/302
54位:金谷 春佳(JPN)/168
59位:相原 麻菜美(JPN)/130
73位:多月 萌々菜(JPN)/33

※左から順位、氏名、所属国、ポイント
※10位までを掲載。日本人選手は11位以下も掲載

CREDITS

編集部 / 写真 © Lena Drapella/IFSC

※当サイト内の記事・テキスト・写真・画像等の無断転載・無断使用を禁じます。

back to top