女子の最終競技者として登場し、完登で優勝を決めた谷井菜月

谷井菜月、鈴木音生が初優勝【第12回全国高校選抜スポーツクライミング選手権大会】

 第12回全国高等学校選抜スポーツクライミング選手権大会決勝(実施種目:リード)が26日、埼玉県の加須市民体育館で行われ、男子は鈴木音生(ねお=静岡/東海大付属静岡翔洋2年)、女子は谷井菜月(奈良/橿原学院3年)がそれぞれ大会初優勝を果たした。

 新型コロナウイルスの影響で昨年の第11回大会が中止となり、2年ぶりの開催となった今大会は、コロナ禍での大会運営や参加者数制限の観点から準決勝と学校別表彰を行わない判断が下され、例年とは異なる形式で実施された。この日の決勝には通常の8人よりも多い26人が前日の予選を勝ち抜いて進出。男女とも2面の壁を繋げ、途中でタイムアップとなってしまう選手もいるほどのロングルートが敷かれた。

 男子は前半に登場して終盤に差し掛かる高度42+をマークした田中裕也(岐阜/岐阜聖徳学園3年)が暫定首位となり後半に突入。その後は19番手の抜井亮瑛(大阪/金光籐蔭3年)が43+に到達して1位に浮上すると、さらに今年の世界ユース選手権ユースA王者の上村悠樹(東京/上野2年)、ジャパンツアー王者の鈴木、先週のボルダリングユース日本選手権でユースAを制した関口準太(栃木/宇都宮清陵2年)の2年生3人が高負荷の終盤で粘り、TOPホールド手前へのムーブを起こす43+を計測して抜井の高度と並んだ。

 最後は先月に開かれた「Top of the Top 2021」(以下TOT)のリードで優勝した村下善乙(千葉/柏南3年)の出番となるも、距離感を見誤ってホールドを掴み損ね、序盤でまさかの落下となった。この結果、高度43+に4人がひしめいた優勝争いは予選順位が1位タイだった鈴木と関口の2人に絞られ、クライミングタイムの短かった鈴木に軍配が上がった。

今年のジャパンツアーではリード全6戦で決勝に進出するなどして1位に輝いた鈴木音生。今大会でも頂点に輝いた

 一方の女子では、18番手の青柳未愛(東京/府中東3年)が鬼門となったゴール下の高度44から左に繰り出すピンチの一手を止めてそのまま完登。青柳首位のまま最終競技者の谷井に順番が回ると、TOTのリード女王は順調に進み、高度44からは左のピンチではなく頭上にある高度45/46のホールドを選択。距離の遠い一手を回避し、体勢を整えてから左ピンチを決めて完登した。余裕のスタミナで最後まで登り切った谷井は予選を首位通過していたため、カウントバックにより青柳を抑えて大会初出場初優勝を遂げた。奈良県勢としては第9回、第10回男子の西田秀聖(天理)に続き3大会連続での戴冠となった。

<入賞者一覧>

[男子]

1位:鈴木 音生(静岡/東海大学付属静岡翔洋高校2年)/43+
2位:関口 準太(栃木/宇都宮清陵2年)/43+
3位:上村 悠樹(東京/東京都立上野2年)/43+
4位:抜井 亮瑛(大阪/金光籐蔭3年)/43+
5位:田中 裕也(岐阜/岐阜聖徳学園3年)/42+
6位:石津 元崇(山口/西京1年)/40
7位:松岡 玲央(兵庫/兵庫県立明石南1年)/39+
8位:田中 慧樹(茨城/茗渓学園2年)/39+

[女子]

1位:谷井 菜月(奈良/橿原学院3年)/TOP
2位:青柳 未愛(東京/府中東3年)/TOP
3位:小倉 紗奈(奈良/国際2年)/44+
4位:久米 乃ノ華(千葉/市立船橋3年)/44+
5位:工藤 花(山形/山形城北3年)/44+
6位:近藤 美七海(神奈川/小田原東1年)/44+
7位:森 奈央(三重/鈴鹿1年)/44
8位:美谷島 ももか(神奈川/日本大学3年)/44

※左から氏名、高校名、成績(到達高度)
※高度が同じ場合は前ラウンドの成績を適用するカウントバックで順位を決定(1~8位に係る場合で前ラウンドも同順位の時はクライミングタイムの短い選手が上位)

「第12回全国高等学校選抜スポーツクライミング選手権大会」大会特設サイト
大会公式掲示板(競技順・成績速報などはこちらから)

CREDITS

編集部 / 写真 窪田亮

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