東京23区初、3種目の壁を備えたクライミングセンターが葛飾区に誕生

 都内最大級の水郷公園である都立水元公園に、東京23区では初となるスポーツクライミング3種目の壁を備えた「葛飾区東金町運動場 スポーツクライミングセンター」が誕生。6月1日からボルダリングエリアの営業を開始した。

 自然豊かな公園内に、ボルダリング、リード、スピードの壁が揃った総合クライミング施設が新規オープンした。いずれの壁も大会利用までを想定した規模のもので、ボルダリングは高さ5m、幅30mの壁が2面、最大傾斜が130度もあるリード壁は高さ16mで、幅を12m持たせたことで4レーンを確保している。リード壁と背中合わせの形にあるスピード壁には、国際スポーツクライミング連盟の認定を受けた2レーンを設置した。

 先行営業しているボルダリング棟は、立体的な壁も取り入れたコンペウォールエリアと、緩傾斜が中心となった初心者やキッズ向けのフェイスウォールエリアに分かれている。コンペエリアは屋外側がシャッターとなっていて、大会時にはシャッターを開けることで観戦しやすいようにし、真夏などの場合は冷房運転のためにシャッターを閉めて営業する。

ボルダリングのコンペウォールエリアは、現在は新型コロナウイルス感染防止のためシャッターを常時開放しており、十分な換気ができている。大会時にはシャッターの枠も取り外し、観戦しやすい環境を整える。

リード、スピードエリアについては、6月下旬以降の営業開始を目指し準備中。一般の方が利用するには、今後開催される講習会を受講し、区からの認定を受けることが必要となる。

 公営施設だけあって利用料も格安。それぞれのウォールごとに高校生以上が400円、小・中学生にいたっては80円で利用できる(1回2時間まで)。この価格設定でありながら良質な課題が揃い、オープニングセットには国際資格を持つ木村伸介、岡野寛、松島暁人のほか、国内公式大会を手掛ける岩橋由洋、芝田将基など超豪華ルートセッター陣が集まった。ホールド替えは少なくとも年に4回、さらに大会が開かれるタイミングでも行う予定で、公営としてはあまり例を見ない頻度で課題が更新される。

 施設は3月末には完成し、4月にオープニングイベントを予定していたが、新型コロナウイルスの影響によりオープンは延期となっていた。区の担当者である本宮史さんは「完成までおよそ3年。ようやくオープンすることができてホッとしている」と話す。反響は上々のようで、「県境にあるので千葉や埼玉の方からも問い合わせがあり、『利用料が安いから行きやすい』と言っていただけることが多い」そうだ。実際に登ったクライマーからも「様々な傾斜、ホールドがあって、課題も面白かった」との声が上がっているという。今後については、個人利用はもちろん、団体利用、イベントや大会の開催、合宿の誘致など様々な展開を想定しているといい、「子どもからシニアまで、地元の幅広い世代の方から長く愛される施設にしていきたい」と語っていた。

施設の運営は、ディーボルダリング八王子など全国に5店舗のクライミングジムを展開している大器株式会社が請け負う。

 営業時間はクライミングジムの中では数少ない朝9時オープンで、夜は21時まで。利用できるのは小学1年生からで、現在は個人利用のみだが、今後は個人利用と団体利用を1日おきに設ける。ただし3日前までに団体利用の申し込みがない場合は個人利用に切り替わり、そのスケジュールはWEB・SNS上で逐一告知するそうだ。なお、現在は新型コロナウイルスの感染拡大防止の一環で同時利用人数を30名に制限している。

葛飾区東金町運動場 スポーツクライミングセンター

施設情報

住所:東京都葛飾区東金町8-31-1
TEL:070-3320-1561

アクセス

バス:JR金町駅・京成金町駅(南口5番のりば)より
・東武バス(金50)東金町循環 東金町八丁目下車3分
・東武バス(金52)みさと団地方面 高須下車5分
・東武バス(金54)新三郷駅方面 高須下車5分
駐車場:都立水元公園第3駐車場(有料)

営業時間

9時00分~21時00分
※休館日:毎月第二水曜日

利用料金

ボルダリング:高校生以上 400円/小・中学生 80円
リード:高校生以上 400円/小・中学生 80円
スピード:高校生以上 400円/小・中学生 80円
※1人1回2時間以内
※施設利用は小学1年生から
※リード、スピードの一般利用には講習会の受講が必要

【公式サイト】葛飾区東金町運動場 スポーツクライミングセンター

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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