アジア大陸予選を制しパリ五輪代表に内定した安楽宙斗(中央)

安楽宙斗がパリ五輪内定! ボルダー、リード全課題を鮮やかに登り切る【パリ五輪アジア大陸予選】

 スポーツクライミングのパリ五輪アジア大陸予選(インドネシア・ジャカルタ)は11日午後、ボルダー&リードの男子決勝を行い、日本の16歳・安楽宙斗がボルダー全4課題を完登、リードも完登する圧巻の登りで優勝し、パリ五輪代表に内定した。

 安楽が見事なパフォーマンスでアジア予選を制した。9日の予選、10日の準決勝をいずれも高得点で首位通過し、緒方良行、楢崎明智とともに決勝進出を果たすと、ボルダーラウンドは思い描いていたイメージを完璧に再現したかのようにスムーズに登り、第1課題から3連続で一撃。細かいホールドの処理やダイナミックなムーブも軽やかにこなしていった。

軽快に課題を登る安楽

 最終第4課題はゴール取りのコーディネーションムーブに失敗し全完一撃は逃したものの、徐々に修正して4度目のトライでトップホールドを手中に収めた。安楽は99.7点を獲得して単独首位。2位に3完登で84.5点のイ・ドヒョン(韓国)、3位に2完登で69.1点の緒方が続いた。

安楽は全完登で100点満点中99.7点に達した

2完登で3位につけた緒方

 リードは序盤から難度の高い構成で、多くの選手が1手3ポイントのセクションで落下した。しかし6番手のパン・ユーフェイ(中国)が初めて1手4ポイントのホールドをつかむと、驚異的な粘りを見せて完登に近づいていく。トップホールドは捉え切れなかったが、それまでの最高到達点を10手以上も更新する43+で96.1点を得た。

驚異の粘りで完登に迫ったパン

パリ五輪内定、そして完登に向けて登る安楽

 緒方が30+にとどまったあと、最後に登場するのは安楽。中盤の距離のある一手でヒヤリとさせた場面こそあったが、順調に高度を伸ばしていく。36手目をつかみ68点を手にして優勝者にのみ与えられるパリ行き切符の獲得を確実にすると、その後もミスなく最後まで登り切った。8月の世界選手権では4位に終わり、惜しくも五輪内定に届かなかった悔しさを晴らし、笑顔で歓声に応えた。安楽が楢崎智亜に続くボルダー&リード種目の五輪代表に内定したことで、日本が得られる男子の同種目代表2枠は埋まった。

<リザルト>

1位:安楽 宙斗(JPN)
 199.7pt(B 99.7pt/L 100pt)
2位:パン・ユーフェイ(CHN)
 164.9pt(B 68.8pt/L 96.1pt)
3位:イ・ドヒョン(KOR)
 132.5pt(B 84.5pt/L 48pt)
4位:緒方 良行(JPN)
 117.2pt(B 69.1pt/L 48.1pt)
6位:楢崎 明智(JPN)
 70.6pt(B 54.5pt/L 16.1pt)
5位:チョン・ジョンウォン(KOR)
 66.8pt(B 33.7pt/L 33.1pt)
7位:ラヴィアンディ・ラマダン(INA)
 57.7pt(B 24.6pt/L 33.1pt)
8位:ソン・ユンチャン(KOR)
 23pt(B 14.9pt/L 8.1pt)

※上段左から順位、氏名、所属国
※下段左から2種目の合計ポイント、各種目のポイント(B=ボルダー、L=リード)

CREDITS

編集部 / 写真 © Lena Drapella/IFSC

back to top