男子表彰台に上がった(左から)小俣、安楽、本間

最終戦で安楽、森が金 日本男子が表彰台独占【リードW杯2023 第6戦呉江大会】

 今シーズンのクライミングW杯リード最終第6戦決勝が24日、中国・呉江で行われ、男子は安楽宙斗、女子は森秋彩が頂点に立った。さらに男子は2位に小俣史温、3位に本間大晴、女子も3位に谷井菜月が入り、日本勢が5つのメダルを獲得した。

 22日の予選では安楽、本間、森がトップに立って男子9人、女子7人の日本勢全員が翌日の準決勝に進出。準決勝では安楽、本間が完登で予選に続き首位タイとなり、百合草碧皇、小俣、緒方良行も決勝へ進んだ。女子も森、谷井が登り切って1、2位。伊藤ふたば、野中生萌も準決勝を通過した。欧米の強豪選手の多くが不在となった中で、日本勢がしっかりとその存在感を発揮した。

女子優勝の森

 先に行われた女子決勝は3番手の野中が21+、4番手の伊藤が22に終わると、5番手のジェシカ・ピルツ(オーストリア)が初めて高度30台に達し31+をマークする。7番手の谷井はその記録に近づくも26+で力尽きた。最後に登る森は苦しむ様子を見せずに上昇し、強度の高い一手も決めていく。最終面に切り替わるセクションで落下してしまうもピルツの高度から5手伸ばしてリードW杯通算3勝目を挙げた。IFSC(国際スポーツクライミング連盟)によればリードで3勝したのは日本人女子として初の快挙。谷井は3位で銅メダルを獲得。伊藤は5位、野中は6位だった。

女子表彰台=(左から)ピルツ、森、谷井

 男子決勝は朱色のホールドが並ぶ中盤のセクションが多くの選手を苦しめた。6人が23~26+の間で競技を終え、小俣が残した30+が暫定トップの状況で最終8番手・安楽の出番となった。すでにリードW杯の年間優勝を確実としている16歳は安定感ある登りで高度30を突破。ガストンムーブを決めて最終面に入ると場内からは歓声が上がり、最終的に39+まで進んだ。2位に9手差をつけた安楽は3連勝でデビューシーズンのW杯を締めくくった。17歳で安楽と同世代の小俣も初の銀メダルを獲得。予選、準決勝と首位タイだった本間は3位でフィニッシュした。緒方は4位、百合草は6位だった。

男子優勝の安楽

<決勝リザルト>

[女子]
1位:森 秋彩(JPN)/36+
2位:ジェシカ・ピルツ(AUT)/31+
3位:谷井 菜月(JPN)/26+
4位:ツァン・ユートン(CHN)/22+
5位:伊藤 ふたば(JPN)/22
6位:野中 生萌(JPN)/21+
7位:キム・ジャイン(KOR)/20+
8位:マノン・イリ(FRA)/17+
―――――
16位:中川 瑠(JPN)※準決勝進出
20位:小池 はな(JPN)※準決勝進出
24位:松藤 藍夢(JPN)※準決勝進出

[男子]
1位:安楽 宙斗(JPN)/39+
2位:小俣 史温(JPN)/30+
3位:本間 大晴(JPN)/26+
4位:緒方 良行(JPN)/26+
5位:ソン・ユンチャン(KOR)/24+
6位:百合草 碧皇(JPN)/23+
7位:サッシャ・レーマン(SUI)/23
8位:ニコラス・コリン(BEL)/23
―――――
12位:樋口 純裕(JPN)※準決勝進出
14位:吉田 智音(JPN)※準決勝進出
16位:鈴木 音生(JPN)※準決勝進出
24位:上村 悠樹(JPN)※準決勝進出

※左から順位、氏名、所属国、決勝成績(高度)
※同高度の場合は前ラウンド順位の高い選手が上位

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編集部 / 写真 © Jan Virt / IFSC

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