前人未到の4秒台をマークしたベドリック・レオナルド

史上初の4秒台! スピード世界新が男子で2度、女子で4度計測【スピードW杯2023 第1戦ソウル大会】

 クライミングW杯のスピード第1戦が28日、韓国・ソウルで行われ、インドネシアのベドリック・レオナルドがついに5秒を切ることに成功し、前人未到の4秒台を2度計測した。女子ではポーランドのアレクサンドラ・ミロスラフが世界記録を4度も更新。両名は表彰台の中央にも上がった。

 2人は予選から世界新記録をたたき出す。ベドリックは4秒98をマークし、チームメートのキロマル・カティビンが昨年7月に残した5秒ちょうどの世界記録を更新。ミロスラフは1本目に6秒46で自らの女子世界記録を0秒07縮めると、2本目は6秒37で記録をさらに0秒09短縮した。男子はサミュエル・ワトソン(米国)の5秒02など多くの選手が5秒台前半を記録し、4秒台到達者は今後さらに増えていくことを予感させた。

 決勝トーナメントでもベドリックとミロスラフの勢いは止まらない。初戦を突破したベドリックはベスト4入りをかけた一戦で4秒90をマークし、今日2度目の世界新。続くレースでは4秒93、そしてビッグファイナルでも5秒01と圧巻のパフォーマンスを見せつけ、W杯年間2連覇中の王者が開幕戦勝利を飾った。抜群の安定感を誇るミロスラフも8強、そして4強を決めると、6秒35の世界新で優勝決定戦に進み、最後は6秒25でこの日4度目となる女子世界新記録を計測。2019年から続く出場したW杯での連勝数を6に伸ばした。

優勝したミロスラフ。近年の女子世界記録はすべて彼女が刻んでいる

 男女5人ずつが出場した日本勢は、5秒47で17位の安川潤が男子最高、7秒84で22位の竹内亜衣が女子最高で、男子で4人が5秒台を残すなどしたが予選上位16人による決勝トーナメントには進出できなかった。第2戦はインドネシア・ジャカルタで5月6、7日(現地時間)に行われる。

<リザルト>

[男子]
1位:ベドリック・レオナルド(INA)/5秒01
2位:ロン・ジンバオ(CHN)/5秒12
3位:ワン・シンシャン(CHN)/5秒11
4位:ロン・ジェングオ(CHN)/6秒37
――――――
17位:安川 潤(JPN)/5秒45
21位:大政 涼(JPN)/5秒54
27位:池田 雄大(JPN)/5秒62
30位:藤野 柊斗(JPN)/5秒66
49位:田渕 幹規(JPN)/6秒31

[女子]
1位:アレクサンドラ・ミロスラフ(POL)/6秒25
2位:ナタリア・カルッカ(POL)/6秒67
3位:デサク・マデ・リタ・クスマ・デウィ(INA)/6秒60
4位:アレクサンドラ・カルッカ(POL)/6秒71
――――――
22位:竹内 亜衣(JPN)/7秒84
24位:林 かりん(JPN)/7秒99
28位:河上 史佳(JPN)/8秒22
34位:金谷 春佳(JPN)/9秒03
36位:林 奈津美(JPN)/9秒17

※左から順位、氏名、所属国、成績
※成績は、1・2位はビッグファイナル(優勝決定戦)、3・4位はスモールファイナル(3位決定戦)の記録
※大政涼の成績は決勝トーナメントの記録

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編集部 / 写真 © Dimitris Tosidis/IFSC

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