世界最高峰の戦いが開幕。ダニル・ボルドィレフが4大会ぶり2度目V【クライミング世界選手権2021】

 現地時間16日、クライミング世界選手権がロシア・モスクワで開幕。初日はスピードの予選、決勝が行われ、男子はダニル・ボルドィレフ(ウクライナ)が4大会ぶり2度目の優勝、女子はナタリア・カルッカ(ポーランド)が初めて頂点に立った。

 男子決勝は初戦を0.005秒差で制したボルドィレフが波に乗った。次レースでは東京五輪代表のリシャト・ハイブリン(カザフスタン)に勝利し、その後は相手のミスにも助けられビッグファイナルに進出。優勝決定戦では世界王者を決めるに相応しいデッドヒートが展開され、最後は0.22秒差でボルドィレフが打ち勝った。元世界記録保持者で29歳のウクライナ人は、これが2014年大会以来2度目の世界制覇となった。

2014年大会以来2度目の優勝を果たしたダニル・ボルドィレフ

男子表彰台=(左から)エリク・ノヤ・カルドーナ、ボルドィレフ、ノア・ブラッチ

 女子決勝は初戦でナタリア・カルッカとアレクサンドラ・カルッカの双子対決が実現。ここを勝ち抜いたナタリアは次戦で自己新の7.15秒をマークしベスト4に進むと、東京五輪4位かつ女子世界記録保持者のアレクサンドラ・ミロスラフと対峙。すると7.07秒でさらに記録を更新し、同国勢同士の一戦を制した。ミロスラフは珍しく足を踏み外してしまい、大会3連覇はならなかった。ナタリアはそのまま東京五輪代表のユリア・カプリナ(ロシアクライミング連盟)とのビッグファイナルにも勝利し、2人のオリンピアンを上回った19歳の若手がW杯、世界選手権を通じ初めて表彰台の中央に上がった。

 なお、スピード種目へのエントリーがなかった日本勢は、大会2日目のボルダリング男女予選から登場する。

アレクサンドラ・カルッカとの双子対決を制したナタリア・カルッカ(手前)

女子表彰台=(左から)ユリア・カプリナ、カルッカ、アレクサンドラ・ミロスラフ。オリンピアン2人を抑えての戴冠となった

<決勝リザルト>

[男子]
1位:ダニル・ボルドィレフ(UKR)/5.73秒
2位:エリク・ノヤ・カルドーナ(ESP)/5.95秒
3位:ノア・ブラッチ(USA)/6.31秒
4位:ギヨーム・モロ(FRA)/8.46秒

[女子]
1位:ナタリア・カルッカ(POL)/7.18秒
2位:ユリア・カプリナ(CFR)/8.94秒
3位:アレクサンドラ・ミロスラフ(POL)/7.00秒
4位:エカテリーナ・バラシュチュク(CFR)/8.47秒

※左から氏名、所属国、成績
※成績は、1・2位はビッグファイナル(優勝決定戦)、3・4位はスモールファイナル(3位決定戦)の記録

大会スケジュールや出場日本人選手はこちらから

CREDITS

編集部 / 写真 Nikita Tsarev

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