大会4連覇中の小林幸一郎

15日からはパラクライミング世界選手権 今大会も日本勢のメダルラッシュなるか

 IFSC(国際スポーツクライミング連盟)は15日からの3日間、ロシア・モスクワにてパラクライミング世界選手権を開催する。

 2011年から2年に1度開催されてきた同大会は、パラクライミング界の最高峰となる国際大会で、日本はこれまでの全大会で金を含む複数メダルを獲得。前回2019年大会では金3個、合計7個のメダルを日本に持ち帰った。JPCA(日本パラクライミング協会)は代表選考会などを経て15名の2021年度日本代表選手を決定し、世界選手権には8名を派遣する。

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過去大会のメダリストたち

 精鋭が揃う代表選手たちの実力は前回大会以上との呼び声が高く、小林幸一郎、吉田藍香には連覇の期待が懸かる。特に当時51歳で臨んだ前回大会で4連覇を果たした小林は圧倒的な強さを誇っている。IFSCは2028年パラリンピック(米国・ロサンゼルス)でパラクライミングの正式種目化を目指すことを表明している。今後の動向が注目される中で、日本勢はその強さを見せつけられるか。

 大会は16日から始まるクライミング世界選手権と同じ2つの会場を使用する。決勝はIFSCのYouTube公式チャンネルでライブ配信される予定だ。彼らパラクライマーたちの登りにも声援を送りたい。
 

パラクライミング世界選手権2021 モスクワ大会

スケジュール

9月15日(水)
10:00 ~ 19:00/予選(16:00 ~ 16日01:00)
9月16日(木)
10:00 ~ 19:00/予選(16:00 ~ 17日01:00)
9月17日(金)
20:00 ~ 23:00/決勝(18日02:00 ~ 05:00)

※スケジュールは予告なく変更される場合がございます。予めご了承ください
※()内は日本時間
※決勝は国際スポーツクライミング連盟/公式YouTubeチャンネルで配信予定

日本代表 出場予定選手

視覚障がい 男子B3/蓑和田一洋(ナビゲーター/會田亮子)
視覚障がい 男子B2/會田祥(ナビゲーター/宮本容幸)
視覚障がい 男子B2/濵ノ上文哉(ナビゲーター/田中星司)
視覚障がい 男子B1/小林幸一郎(ナビゲーター/白井唯)
下肢切断 女子AL2/渡邉雅子
下肢切断 男子AL2/結城周平
上肢切断 男子AU2/安良岡伸浩
神経障がい 男子RP2/岡田卓也

日本代表選手(撮影:宮地信樹)

※各障がいの程度に応じて分類されるクラスは、現地でのクラス分け(クラシフィケーション)により変更となる場合がある。
※視覚障がいクラスは、競技中にホールドの位置や形を伝えるナビゲーターとパートナーを組んで登る。

<パラクライミングについて>

障がいにも様々なものがあり、パラクライミングの競技クラスには視覚障がい・切断・神経障がいの3つがあり、さらにその中で障がいの程度に応じたクラス分けが行われる。

[視覚障がいクラス]
先天的または後天的に視覚に障がいがあり、日常生活や就労等において不自由を強いられている方を対象とする。クラス分けは光覚や視力・視野によってB1・B2・B3クラスに分けられ、B1クラスが視覚障がいのなかで最も障がいの程度が重いクラスになる。

[切断クラス]
病気や事故等で手足を切断された方を対象とする。切断部位や切断肢の数によってAL-1・AL-2・AU-1・AU-2の4つのクラスに分けられ、数字が小さいほうが障がいの程度が重いクラスになる(AL-1のほうがAL-2より障がいが重いクラスに、AU-1のほうがAU-2より障がいが重いクラスになる)。

[神経障がいクラス]
神経に何らかの障がいを有し、麻痺等によって手足が動かしにくい方を対象とする。障がいの程度に応じてRP-1・RP-2・RP-3の3つのクラスに分けられ、RP-1クラスが最も障がいの程度が重いクラスになる

<日本パラクライミング協会(JPCA)について>

2021年3月日本代表選手権(撮影:宮地信樹)

日本における競技スポーツとしての障がい者クライミングを統括する。パラクライミング競技の普及を通じたスポーツ文化の普及と振興を図ることを目的とし、障がい者の心身の健全な発達と、障がいに対する社会の理解促進に寄与。日本選手権大会をはじめとする競技会の開催のみならず、国際大会への選手派遣、指導者の養成、パラクライミング競技の普及・発展及び啓発に関する事業を行っている。

CREDITS

編集部 / 写真 © IFSC/Sytse van Slooten

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