2010年からW杯に出場している28歳の樋口純裕が念願の初優勝を飾った

樋口純裕が念願の初優勝! 自己最高年間3位に 女子では五輪金ガンブレットが今季3勝目、逆転で年間も制覇/リードW杯2021最終戦 クラーニ大会

 クライミングW杯2021のリード最終戦となる第5戦決勝が現地時間4日、スロベニア・クラーニで行われ、日本男子の樋口純裕が念願のW杯初優勝を飾った。女子は東京五輪金メダリストのヤンヤ・ガンブレットが自国での大会で今季3勝目を挙げ、年間ランキングで4度目の1位に輝いた。

 オリンピック後の最初のW杯となった今大会では、男子準決勝を樋口が首位通過し、吉田智音、百合草碧皇の2人が初の決勝行きを決めた。その決勝では、先頭のドメン・スコフィッチ(スロベニア)が記録した高度31+に後続が届かず。百合草、吉田は体勢が作りづらく、距離の遠い一手となった下部パートで落下した。

 しかし6番手のセバスチャン・ハレンケ(ドイツ)、7番手のルカ・ポトカ(スロベニア)が壁の形状をうまく使い、その下部の核心を突破すると、スコフィッチと同高度に到達する。最後に登場した樋口は、磨き上げた保持力でハードな下部をクリア。中盤に突入し、他3選手が止め切れなかった右手アンダーからの左の一手をついに捉える。その後も37まで高度を伸ばした。降下した樋口は優勝がわかった瞬間、拳を天高く突き上げ、喜びをかみしめた。

 2010年からリードW杯に出場している28歳の樋口は、これが念願の初優勝となり、年間ランキングでも5位からランクを上げ、初の表彰台となる3位につけた。今大会2位には19歳で初メダルのポトカ、3位にはハレンケが入った。吉田は6位、百合草は8位。年間優勝には樋口と同じ28歳のステファノ・ギソルフィ(イタリア)が初めて輝いた。

決勝ルートを登る樋口

優勝の瞬間、拳を天高く突き上げた

 一方の女子では、谷井菜月が8位で準決勝を突破。予選を首位通過していた小武芽生は順位を落としてしまい、21位で敗退となった。決勝は中間地点のルーフ後に細かいホールドやピンチが強傾斜に並び、高負荷ムーブの連続となった。

 先頭の谷井はルーフまで進むも、動かした膝と持ち手がぶつかってしまい不意の落下で高度26に終わる。その後、東京五輪8位のソ・チェヒョン(韓国)が驚異的な保持力で高度46として首位、ボルダリングとリードで年間ランキング首位を走るナタリア・グロスマン(米国)が高度41で2位につけ、最終競技者のガンブレットに出番が回る。

 スポーツクライミングの初代五輪金メダリストはルーフでダイナミックなガストンを選択するすごみを見せ、終盤も体の軸がブレずにカチ、ピンチを難なく止めていく。そしてソの高度46超えに成功し、優勝を確信したのか観客を煽ると、レストを挟んで力を振り絞る。最後は完登目前の49+で競技を終え、地元からの歓声に応えた。ガンブレットは今季リードW杯の5戦中3戦に出場し、その全戦で優勝。第4戦終了時点で4位だった年間ランキングでもグロスマンを4ポイント上回り、逆転で頂点に立った。

笑顔を見せ、歓声を求めるガンブレット

今大会女子表彰台=(左から)ソ・チェヒョン、ヤンヤ・ガンブレット、ナタリア・グロスマン

<決勝リザルト>

[男子]
1位:樋口 純裕(JPN)/37
2位:ルカ・ポトカ(SLO)/31+
3位:セバスチャン・ハレンケ(GER)/31+
4位:ドメン・スコフィッチ(SLO)/31+
5位:フェディル・サモイロフ(UKR)/30+
6位:吉田 智音(JPN)/16+
7位:ミラン・プレスカー(SLO)/15+
8位:百合草 碧皇(JPN)/15+
――――――
23位:村下 善乙(JPN)※準決勝進出
24位:中上 太斗(JPN)※準決勝進出

[女子]
1位:ヤンヤ・ガンブレット(SLO)/49+
2位:ソ・チェヒョン(KOR)/46
3位:ナタリア・グロスマン(USA)/41+
4位:ラウラ・ロゴラ(ITA)/39
5位:ヴィータ・ルーカン(SLO)/39
6位:ルチカ・ラコヴェッチ(SLO)/34+
7位:ディナーラ・ファクリディノワ(RUS)/31+
8位:谷井 菜月(JPN)/26
――――――
12位:阿部 桃子(JPN)※準決勝進出
15位:中川 瑠(JPN)※準決勝進出
17位:高尾 知那(JPN)※準決勝進出
21位:小武 芽生(JPN)※準決勝進出

※左から氏名、所属国、決勝成績(到達高度)
※同高度の場合は前ラウンドの成績を適用するカウントバックで順位を決定

国際スポーツクライミング連盟/大会特設ページ(リザルト詳細などはこちらから)

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編集部 / 写真 © Jan Virt/IFSC

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