女子表彰台=(左から)ナタリア・グロスマン、エリスカ・アダモフスカ、ヴィータ・ルーカン

東京五輪前最後のW杯が開催。アダモフスカが初決勝で優勝、中川が5位入賞/リードW杯2021第4戦 ブリアンソン大会

 クライミングW杯2021のリード第4戦決勝が現地時間18日(日本時間19日)、フランス・ブリアンソンで行われ、男子はステファノ・ギソルフィ(イタリア)が今季初優勝、女子はエリスカ・アダモフスカ(チェコ)が初の決勝で優勝を成し遂げた。日本勢ではこちらも初の決勝を戦った中川瑠が女子5位入賞を果たした。

 今大会は東京五輪前最後のW杯となり、五輪代表勢の出場は男子のアルベルト・ヒネス・ロペス(スペイン)のみとなった。日本からは天笠颯太、樋口純裕、吉田智音、阿部桃子、谷井菜月、中川瑠の男女各3名がエントリーし、準決勝8位に入った中川がリードW杯出場2戦目にして初の決勝に駒を進めた。谷井はデビュー戦から続いていた連続決勝進出記録が6でストップ。男子は樋口の12位が最高だった。

 先に行われた男子決勝は抱え込むような動きが多く取り入れられ、また中間部で複雑なムーブを要求されるパートもあり、中盤から終盤にかけて力尽きる選手が続出した。健闘が光ったのは2017年クラーニ大会以来の決勝進出となった26歳のドミトリー・ファキリアノフ(ロシア)で、時間を使って体力を回復させながら進み、観客を煽る余裕も見せて高度39+に到達。1人を残して暫定首位を維持した。

男子優勝のステファノ・ギソルフィ。

男子表彰台=(左から)ドミトリー・ファキリアノフ、ギソルフィ、マーティン・ストラニク。

 最後に登場したのはギソルフィ。途中で足を滑らせるも見事に立て直すなどして5,000人の観客を沸かせ、最終的には42+でフィニッシュ。今季準優勝2度と好調の28歳がW杯通算6勝目を挙げた。

 女子決勝は先頭の中川が27+とまずまずの高度に到達し、5番手の競技終了時点で暫定3位をキープ。すると6番手に登場したアダモフスカが初の決勝とは思えない登りを披露。高い保持力で細かいホールドを捉え、最高到達高度を36まで更新した。最終8番手のナタリア・グロスマン(米国)は35+でわずかに及ばず、アダモフスカが嬉しい初優勝を飾った。

女子優勝のエリスカ・アダモフスカ。

初の決勝で会心のパフォーマンスを見せ、歓喜するアダモフスカ。

<決勝リザルト>

[男子]
1位:ステファノ・ギソルフィ(ITA)/42+
2位:ドミトリー・ファキリアノフ(RUS)/39+
3位:マーティン・ストラニク(CZE)/37+
4位:ショーン・ベイリー(USA)/36
5位:サッシャ・レーマン(SUI)/35
6位:フェディル・サモイロフ(UKR)/35
7位:アルベルト・ヒネス・ロペス(ESP)/27+
8位:ルカ・ポトカ(SLO)/22
――――――
12位:樋口 純裕(JPN)※準決勝進出
20位:天笠 颯太(JPN)※準決勝進出
47位:吉田 智音(JPN)

[女子]
1位:エリスカ・アダモフスカ(CZE)/36
2位:ナタリア・グロスマン(USA)/35+
3位:ヴィータ・ルーカン(SLO)/29
4位:アシマ・シライシ(USA)/27+
5位:中川 瑠(JPN)/27+
6位:ルチカ・ラコヴェッチ(SLO)/26+
7位:ラナ・スクセク(SLO)/24+
8位:アレクサンドラ・タコバ(BUL)/22+
――――――
9位:谷井 菜月(JPN)※準決勝進出
25位:阿部 桃子(JPN)※準決勝進出

※左から氏名、所属国、決勝成績(到達高度)
※同高度の場合は前ラウンドの成績を適用するカウントバックで順位を決定

国際スポーツクライミング連盟/大会特設ページ(リザルト詳細などはこちらから)

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編集部 / 写真 © Jan Virt/IFSC

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