女子表彰台=(左から)平野夏海、野口啓代、久米乃ノ華

野口啓代がトップ・オブ・ザ・トップに輝く! 新星・久米乃ノ華が3位【Top of the Top 2020】<女子リード決勝>

 2020年のスポーツクライミング日本代表選手たちで争われる特別大会「Top of the Top 2020」(石鎚クライミングパークSAIJO=愛媛県西条市)の女子リード決勝が1日午後に行われ、唯一の完登者となった野口啓代が今シーズン初勝利を挙げた。

 午前の準決勝からおよそ3時間を空けて実施された女子決勝は、1番手の小武芽生が高度22+、阿部桃子が31+、伊藤ふたばが29+、中川瑠が26+と、前半に登場した各選手がまずまずの高度に到達。今年リード日本代表に初選出された阿部が暫定首位で折り返した。

 5番手からは、予選を完登し首位タイだった4人が登場。するとさっそく谷井菜月が31+をマークして阿部の高度に並び、準決勝順位へのカウントバックで暫定首位に立つ。

完登する野口啓代。

 続いて野口が登場。野口はペースを乱さず最終盤に到達すると、高い負荷にも耐え、ゴール取りの渾身の一手に成功。本人から見て後ろ側に位置する最終確保支点を探す珍しい場面も見られたが、最後は焦ることなくクリップして完登を記録した。

 7番手は昨日のボルダリングで決勝進出と健闘を見せていた久米乃ノ華(ののは)。2003年生まれで森秋彩らと同世代である久米は、慎重にムーブを重ねていく。谷井の高度を抜いて最終盤に入ると、それまでのスローペースとは一転、最後の力を振り絞って勢いよくムーブを繰り出していき、あとはゴール取りというところまでたどりついたが、最後の一手はTOPホールドに届かず。しかし高度34+で暫定2位となり、昨年から公式戦に出場しはじめたという新星が自身初の表彰台を確定させた。

全国的なシニア大会の出場2戦目で表彰台に上がった久米乃ノ華。2003年生まれの黄金世代にまた一人ホープが登場した。

8月のリードジャパンカップでは4位で表彰台にあと一歩届かなかった平野夏海が2位でフィニッシュ。

 最終競技者は平野夏海。平野もまた安定して高度を上げていくと、負荷のかかる終盤には落ち着いて体勢を入れ替えるなどの巧みさを見せ、久米に並ぶ34+を記録。クライミングタイムで久米を上回ったため、2位フィニッシュとなった。

 この結果、唯一の完登者となった野口が文句なしの優勝で、見事“トップ・オブ・ザ・トップ”に輝いた。

<リザルト>

1位:野口 啓代(TEAM au)/TOP
2位:平野 夏海(国士舘高等学校)/34+ ※準決勝1位/記録5分01秒
3位:久米 乃ノ華(船橋市立船橋高等学校)/34+ ※準決勝1位/記録5分45秒
4位:谷井 菜月(橿原学院高等学校)/31+ ※準決勝1位
5位:阿部 桃子(相模女子大学高等部)/31+ ※準決勝5位
6位:伊藤 ふたば(TEAM au)/29+
7位:中川 瑠(金蘭会高等学校)/26+
8位:小武 芽生(エスエスケイフーズ)/21

※左から氏名、所属先、成績

「Top of the Top 2020」大会特設サイト
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CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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