
野中生萌が「人生を懸けた」クライミングジム「Next Gen Bouldering」が埼玉県新座市でオープン
スポーツクライミングの東京五輪女子銀メダリストでパリ五輪にも出場した野中生萌が4日、埼玉県新座市でクライミングジム「Next Gen Bouldering」をオープン。営業開始前に報道陣の取材に応じた。
ジムをつくろうとしたきっかけは「満足のいく練習環境がほしかったから」。自分のジムを持つことは小さな頃からの夢でもあったという。建設場所の選定は都内を含めて検討するも難航したが、パリ五輪後に新座市で候補地を見つけると「壁をどこに置くかなど、一瞬でイメージできた」と即決したという。店名は「Next Generation」の略で、「その名の通り、次の世代をつくっていきたいという思いを込めている。いろいろな時代が移り変わってきたここまでのジェネレーションと、ここから先のクライミングをつくっていく未来のジェネレーションを繋げる役割をしたいという思いもある」と説明した。
オープン当日の様子
集まった報道陣からこだわったポイントを聞かれると「全部こだわっている。挙げたらキリがない(笑)」とし、装飾や色の配置などもすべて自身で決めたことを明かした。「休憩する時はしっかりとリラックスできる空間をつくりたかったし、体づくりができるフィジカルトレーニングエリアもつくりたかった」と、本人のイメージに沿ったジムが完成。植栽が大好きなことから、至る所に植物も設けられた。
「コンペウォール」の高さは5m、長さは30mで世界最大級を謳う。野中は「緩傾斜壁での主にバランスの技術的な要素を必要とする課題に苦手意識があるので、ここでしっかり練習したい。海外のジムは施設が大きく、壁の面積も広いのでいろいろなことができる。ここも横幅を広く使って移動できるように、壁の1面1面を大きく設けている」と話した。大会を想定した壁の仕様にはなっているが、幅広い層の来場を見込んで「楽しくクライミングができるようなセットを心掛けていきたい」とアピールした。
オープン当日の様子(コンペウォール)
総工費は約1.4億円。野中が全額自己負担していることに話が及ぶと「思い切ってます。死にそうです(笑)。ホールド1個だけでものすごく高いけど、後半は金銭感覚がわからなくて(笑)。ただ、施設を完璧なものにするには投資は必要。その分、頑張ろうという思いにもなる。人生を懸けてます」と力強く語った。
オープン当日の様子(アイランドウォール)
オープン当日の様子(アイランドウォール)
当日はセッションイベントが行われ、大型連休中ということもあってたくさんの人でにぎわった。野中もサインや写真撮影に応じるなどして来場者とコミュニケーションを取った。日本代表クラスの選手たちも多く駆け付け、記念すべき1日を盛り上げた。エキシビションファイナルでは藤脇祐二と関川愛音が男女のトップに立った。
サインに応じる野中
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取材・文 編集部
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