今月のアジア選手権で3冠を達成し勢いに乗る楢崎智亜

明日からクライミングW杯盛岡大会が開幕! 今大会の2種目複合ルールとは?

 明日20日から22日までの3日間、スポーツクライミングのW杯盛岡大会が岩手県営運動公園スポーツクライミング競技場で開催される。

暫定的なコンバインドの競技ルール

 今シーズン最後のW杯に数えられる盛岡大会は、2024年パリ五輪での実施種目の1つ、コンバインド(ボルダリング、リードの2種目複合)では初のW杯としても開催される。東京五輪で採用されたコンバインド(スピードを含む3種目複合)は順位のかけ算でその数の少なさを競ったが、今回はボルダリング、リードそれぞれの成績に応じて最大100ポイントずつが与えられ、その足し算(最大200ポイント)で順位を決める。

 今大会は予選、準決勝、決勝と3つのラウンドがあり、予選上位20人が準決勝へ、準決勝上位8人が決勝へ進出する。各ラウンドで最初に行うボルダリングはいずれも4課題を登る。コースの途中に2つのゾーンホールドが設けられ、各選手は1つ目のゾーン到達で5ポイント、2つ目でさらに5ポイント、完登すると計25ポイントを得られる。ポイントを獲得した課題に限り、1度のアテンプト失敗で0.1ポイント減点される。

 リードは各ラウンド1課題。1手ごとにポイントが加算され、上部に進むにつれてその数は大きくなる。ポイント対象は、スタートからではなくトップホールドから数えて40手分のみ。1~10手目は各1ポイントで、以降10手ごとに1ポイント上がり、最終セクションの31~40手目は各4ポイント与えられる。次のホールドへムーブを起こした際にスコアにつく+(プラス)は0.1ポイントとしてカウントされる。

 今大会のルールは、8月の欧州選手権、今月のアジア選手権など過去実施された大会とはポイントの割り振りやリードのポイントが付き始める高度が異なる。18日の記者会見に出席したIFSC(国際スポーツクライミング連盟)の小日向徹副会長によれば、ルールは検討段階にあり、今大会の結果を踏まえてパリ五輪選考会を兼ねる来年8月の世界選手権までに内容を固めるという。

国内トップ選手が出場。“五輪ホスト国対決”にも注目

 大会のスタートリストには男子39人、女子28人が名を連ねた。開催国枠を持つ日本は国別最多の男女8人ずつを送り出す。男子は今年のボルダリングW杯で年間表彰台を独占した緒方良行、楢崎智亜、藤井快の3人をはじめとする国内トップ選手がエントリー。中でも楢崎は直近16日まで行われたアジア選手権(韓国・ソウル)でボルダリング、リード、コンバインドと出場種目すべてで優勝。勢いそのままに今大会へと臨む。女子も野中生萌、森秋彩、伊藤ふたばら有力選手が勢揃い。今年のW杯でリード未出場の野中、同ボルダリング未出場の森はそれぞれの種目でどういった成績を残すのか、またアジア選手権でコンバインド3位に入った伊藤は地元開催を追い風に2大会連続表彰台を飾れるか、各選手の活躍に期待したい。

 日本勢に立ちはだかるのは、2024年五輪開催国のフランス勢、2028年開催国のアメリカ勢か。フランスからは10代ながらすでにボルダリングW杯での表彰台経験を持つメジディ・シャールックが男子に、オリアーヌ・ベルトンが女子に出場。ボルダリングとリードの両種目に強い選手を多数抱えるアメリカからは東京五輪ファイナリストのコリン・ダフィー、昨年のW杯で2種目を制したショーン・ベイリー(いずれも男子)、ボルダリングW杯年間1位のナタリア・グロスマン、同3位のブルック・ラバトゥ(いずれも女子)らが参戦する。日本勢を交えた“五輪ホスト国対決”も注目ポイントの1つだ。

 大会は20日に予選、21日に準決勝と男子決勝、最終日の22日に女子決勝を行う。観戦エリアには事前応募による当選者のみが入場できる。
 

IFSCクライミングワールドカップB&L コンバインドいわて盛岡2022

スケジュール

10月20日(木)
09:00 ~ 12:45/男女予選(ボルダリング)
14:30 ~ 18:15/男女予選(リード)
10月21日(金)
09:00 ~ 11:20/男女準決勝(ボルダリング)
12:30 ~ 14:15/男女準決勝(リード)
18:10 ~ 21:00/男子決勝
10月22日(土)
14:40 ~ 17:30/女子決勝

※スケジュールは予告なく変更される場合があります

出場予定の日本代表選手一覧はこちらから

CREDITS

編集部 / 写真 © Dimitris Tosidis/IFSC

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