6日に行われた第17回ボルダリングジャパンカップ（以下BJC）の男子決勝では、東京五輪にも出場した楢崎智亜が全課題を完登する見事なパフォーマンスで大会初優勝を果たした。以下、決勝を終えたファイナリスト6人のコメント一覧。

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楢崎智亜（優勝）
「（今の気持ちは？）『初優勝できてうれしい』ということに尽きる。準決勝6位通過がすごく久しぶりで、決勝は（一番手になったことで）自分のペースでラウンドを進められた。オブザベーションの段階では第1課題が鍵になると思い、それ以外は得意系で登れる感覚があった。その中で第1課題を登れて良い流れに乗れた。

（一番良かったシーンは？）2課題目をギリギリ押し切れたところ。どの課題もオブザベの時と実際に登った時とでは内容が違い、その感覚が強かったのがあの課題。思った以上に入り込めるスペースがなく、我慢しながら少しずつ距離を出していく動きであまり好きではなかった。前のトライで疲れていたが、体力面を強化していてそこが（完登の要因として）良かった。（会場には妻である野口啓代さんが来ていたが？）心強い。サポートしてくれているし、昨日も『このままでいいの？』と気合が入るような声をかけてくれてうれしい」

土肥圭太（2位）
「（首位で通過した）準決勝は落ちたあと次のトライをするまでの時間をうまく使うことができてずっと落ち着いていられたので、それが自分のスタイルにハマって良い結果が出たのかなと思う。決勝は『この課題を登りたかった』などの後悔はあるが、落ち着いてムーブを考え直せたことや後半2課題をしっかり決め切れたことなど、時間内で自分にできることはほどんどできたのでとても満足している」

藤井快（3位）
「思っていた以上に課題が難しいと（壁の）裏でみんなで話していた。そういう課題をこなせず自分のパフォーマンスを引き出し切れなかったことは次に繋がるはず。全身の連動性を高めようとフィジカルを鍛えている中で、それをうまく発揮できた1課題目の完登は良かったと思う。（2月12、13日のリードジャパンカップに向けて）リードは日本代表の枠をまだ獲れていないので、すごく大事な選考大会になる。精一杯準備してきたつもりなので、優勝目指して頑張りたい」

山口賢人（4位）
「準決勝を3位通過でき、初めて決勝の舞台で登れたことがすごくうれしい。予選から決勝まで落ち着いて登ることができたし、苦手意識が強かったスラブをすべて登れたので自信が付いた。ただ、対応できなかった課題もあるので、今後はそこを修正して世界でも戦えるような選手になりたい」

井上祐二（5位）
「完登率の高かった準決勝2課題目を取りこぼしてしまい少し焦りを感じたが、冷静に最終4課題目を決め切ることができたのでメンタル面での成長を感じられた。決勝ではオブザべの予想よりも課題の強度が高く、うまく対応することができなかった。1番の反省は得意としているスラブを決め切れなかったこと。ラウンドを重ねると疲労するのは当たり前だが、そこをどうリカバリーするかを考えさせられる大会になった」

川又玲瑛（6位）
「決勝に2年ぶりに行くことができてうれしかったが、まったく自分のクライミングができずとても悔しかった。決勝での戦い方や上位選手との差、競技中のメンタル面など、学ぶことが多い大会になった。W杯でこの悔しさを晴らしたい」